富士通研、データセンターの省電力効果を瞬時に検証できる技術を開発……全体をまるごとモデル化
エンタープライズ
ソフトウェア・サービス
注目記事

データセンター全体では、サーバと空調の制御を連携することで、消費電力を最大40%削減できる見込みだという。そこで今回、富士通研究所では、建屋内の熱の流れを解析する熱流体シミュレーションにおいて、事前に温度や熱の流れのパターンを自動抽出することにより計算量を減らし、従来と比較して1,000倍以上高速に計算できる技術を開発した。同時に、稼働中のデータセンターのICT機器、空調機器、電源系統などの設備における電力と熱の流れを、まるごとモデル化することで、データセンター全体の消費電力を5%以下の誤差で正確にシミュレーションする技術を開発した。
これにより、稼働中のデータセンターに対策を適用する前に、消費電力の正確な計算を可能とした。たとえば、計算負荷が低い場合には、一定個所のサーバに負荷を集中させて、その他のサーバの電源を切るとともに空調の出力を下げるといった対策をいくつか検証し、そのなかでもっとも効率のよかった対策を実行することで、大幅な省電力化が期待できる。さらに、昨今の国内電力供給不足により、稼働中のデータセンターに対して緊急の節電要請が生じた場合、さまざまな対応策を短期間にテストすることが可能となる見込みだ。今後は、富士通のデータセンターでの実証実験および適用を進め、データセンターの省電力化を目指す。
《冨岡晶》
特集
この記事の写真
/