【産業交流展2011】ペットのフンまで処理する「地球環境の番犬ROBOT」
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
正和電工は、普通のオガクスを使って、糞尿を処理できるバイオトイレ「バイオラックス」を展示していた。
このトイレの画期的な特徴は、水を一切使わず、普通の安いオガクズを年に1、2回ほど交換するだけでよいという点。し尿全体の98%〜90%が水分であるため、適切な温度で徹底的に攪拌していくと水分が蒸発し、2%〜10%の有機物となる。さらに有機物を微生物で分解すれば、最終的に1%〜2%の無機物が残るだけ。無機物は窒素、リン酸、カリウムといった物質なので、肥料として再利用でき、地球にも優しい。
このバイオトイレは、発明協会・会長奨励賞、特許庁長官奨励賞、文部科学大臣賞、第2回ものづくり日本大賞優秀賞など、数多くのアワードを受賞している。富士山の山小屋トイレや、旭山動物園のトイレなどでも採用されており、衛生的に遅れた発展途上国でも大きな注目を浴びているそうだ。
もう1つエコ関係で目に付いたのは、合同会社リホーム・コミュニティの生ごみ&ペット・フン処理ロボット「ほとんど臭ワン ニューサム」だ。「企業秘密のバイオ剤を使用している。生ゴミだけでなく、ペットのフンまで処理できる製品はこれだけ」と担当者は胸を張る。バイオの能力を引き出すために、温度管理用ヒータや自動水噴射システムを搭載。生ごみやペットのフンを、水と炭酸ガスに数十分という早さで高速分解するため、ほとんど臭いもでないという。
「地球環境の番犬ROBOT」というキャッチコピーもユニークだ。フタの部分は犬の顔を模しており、音声とLEDの点滅で注意を促せる。たとえば鼻のハートマークで故障やエラー、左目で水補給の注意喚起、右目でバイオ剤のベトつきなどを通知する仕組みだ。処理能力は1日あたり最大700gほど。4ヶ月に1度はバイオ剤を交換する必要があるものの、取り出したバイオ剤は肥料として使えるため、エコサイクルを実現できる。価格は8万8000円だが、地方自治体から生ゴミ処理機購入の助成金制度があるので、価格より実質上かなり安く購入できるだろう。
《井上猛雄》
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