富士通、新スパコン「PRIMEHPC FX10」発表……「京」の技術をさらに向上
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「PRIMEHPC FX10」は、6月に世界一の性能(8.162PFLOPS)、この11月には10PFLOPSの新記録を達成したスーパーコンピュータ「京」にも適用されているスパコン技術を、さらに向上させた製品。1ラック~1,024ラック(98,304ノード)、2.5TFLOPS~23.2PFLOPSまでの高いスケーラビリティを実現している。また本製品は、「京」に使用したプロセッサ「SPARC64 VIIIfx」をベースに、大幅に性能を向上させた「SPARC64 IXfx」を新たに開発し搭載。「SPARC64 IXfx」の単体性能は、236.5GFLOPS、電力あたり性能は2GFLOPS/Wを超え、世界最高レベルの優れた値を達成している。「京」とのソフトウェア互換性もあり、「京」の利用に向けたプログラム開発にも活用可能となっている。
「PRIMEHPC FX10」では、さまざまなHPC向けの拡張を施しており、高いメモリ転送性能や、10本のリンクを備えた、リンクあたり5GB/s×2(双方向)の高性能でスケーラブルな「Tofu(トーフ)」インターコネクト、さらに富士通独自のHPCミドルウェア「Technical Computing Suite」(テクニカル・コンピューティング・スイート)のコンパイラ、ライブラリなどにより、超並列アプリケーションでの高い実行性能を実現した。
「PRIMEHPC FX10」では、超大規模スーパーコンピューティングを実現する「マルチラックモデル」と、設置性を向上させ、導入を容易にした「シングルラックモデル」との2モデルが提供される。なおシングルラックモデルは日本市場専用モデルとなる。販売価格は約5,000万円より(シングルラックモデル)で、2012年1月より出荷を開始。今後3年間で、50システムの販売を目指す。
《冨岡晶》
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