京速コンピュータ「京」、2011年「HPCチャレンジ賞」4部門すべてで1位を獲得
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
米国・シアトルで開催中のHPCに関する国際会議「SC11」で発表されたもので、HPCチャレンジ賞の「(1)大規模な連立1次方程式の求解における演算速度」「(2)並列プロセス間でのランダムメモリアクセス性能」「(3)多重負荷時のメモリアクセス速度」「(4)高速フーリエ変換の総合性能」の4部門すべてで第1位を獲得した。「HPCチャレンジベンチマーク」は、科学技術計算で多用される計算パターンから抽出した28項目の処理性能によって、スパコンの総合的な性能を評価するベンチマークプログラムだ。
理研と富士通は共同で、文部科学省が推進する「革新的ハイパフォーマンス・コンピューティング・インフラ(HPCI)の構築」計画のもと、2012年11月の供用開始を目指し京速コンピュータ「京(けい)」の開発を進めていた。京は、LINPACKの演算速度のランキングである「TOP500リスト」でも6月と11月に連続して第1位を獲得していることに加え、汎用スパコンとしての総合的な性能においても高い評価を得たことになる。
HPCチャレンジ賞にはベンチマークの性能値を競うクラス1と、実装における生産性の高さを競うクラス2がある。筑波大は4つのプログラムのうちGlobal FFTの高速化に大きく貢献。その上でこれら4つのベンチマークプログラムの性能をHPCチャレンジ賞(クラス1)に登録した。HPCチャレンジ賞(クラス1)では、4つの異なった視点からスパコンの特性を多角的に評価するが、そのすべてにおいて京はトップ性能を発揮した。
《冨岡晶》
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