徳島大学、ICT環境をハイブリッドクラウドで構築……各サービスをNECの認証技術を用いて統合
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同大学のハイブリッドクラウドは、プラベートクラウド、パブリッククラウド、オンプレミスを組み合わせ、用途に応じた運用環境を使い分ける極めて先進的な事例となっている。約1万人規模(学生8千人、教職員3千人)の教育用システムや教務システムなどの基幹業務をデータセンターで運用(プライベートクラウド)するとともに、ポータルや学生用メールサービス(パブリッククラウド)、演習用シンクライアントシステム(オンプレミス)を組み合わせて運用する。システムは、2012年3月から運用を開始する予定。
約850台の実習用端末を演習室等に設置し、OSや教育向けアプリケーションソフトはサーバで集中管理され、学生や教職員などの利用者はそれらのソフトウェアをネットブート型シンクライアント端末で利用。これにより、カリキュラムの変更に柔軟に対応した教育研究環境を実現した。シンクライアントシステムには教室外からも利用できる仮想デスクトップ環境も用意。マルチデバイスを使用してのリモートアクセスにより、自習環境の拡充を図る。学生用のメールサービスには、日本マイクロソフト株式会社の「Microsoft Office 365 for Education」を採用し、24時間365日のサポートを実現した。さらにセールスフォース・ドットコムの「Chatter」をベースとしたポータルサービスを導入し、各サービスをシームレスに利用可能とした。
徳島大学では従来、教育システムおよび業務システムを全て学内で管理・運用していたが「労務時間上の都合やコスト等により24時間365日のサービス提供が困難」「災害発生時の体制が脆弱」「運用上のセキュリティリスクが高い」といった課題があった。今回これらの課題を解決又は改善し、教育・研究の成果を高めるため、NECのクラウドサービスを導入した。
NEC提案によるハイブリッドクラウドでは、ポータルサービスや学生用のメールサービスにはパブリックサービスを利用することで低コストに抑え、一方で教務システムや図書館システムなどの業務システムはデータセンターを利用して高い可用性・耐障害性を確保した。さらに、教育用端末をネットブート型シンクライアントで一新し、端末環境のセキュリティと運用性の向上を図る。これらをNECの統合認証サービスSECUREMASTERとShibboleth技術を用いて統合し、学内のサービスを1つのIDで利用することが可能になる見込みだ。
《冨岡晶》
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