【CES 2012】LG、世界最大55インチの有機EL発表！ Google TVやLTEスマートフォン新製品も披露

　2012 International CESの開幕前日にあたる現地時間9日、LG Electronicsは米ラスベガスのCES会場で記者会見を開催し、有機ELテレビとしては世界最大となる55型の新製品や、Verizon Wireless向けLTEスマートフォンなどを発表した。

　55型有機ELテレビは既に発表されていた製品だが、報道陣の目の前での実機のお披露目はこのCES会場での会見が初となる。RGBの3色に白を加えた4色の画素で映像を表示するのが特徴で、従来の有機ELパネルに比べより広い範囲の色を正確に再現することが可能だという。厚さは4mm、重量は7.5kgと、液晶テレビに比べさらに薄型軽量で、ベゼル部分の幅も狭いため、スタンドに設置した状態だと画面だけが空中に浮いているかのような印象を与えている。また、3Dコンテンツの表示にも対応する。今年後半に北米および欧州市場で発売する予定。

　また、ソフトウェアプラットフォームとしてAndroidを搭載する、いわゆる「Google TV」を製品ラインナップに加えていく方針も正式に発表。同社は「Magic Remote」と呼ばれるジェスチャー認識型のポインターを上位機種のリモコンとして採用しており、これをGoogle TVにも採用することで、コンテンツや検索機能などをより使いやすく利用できるのが大きなメリットだとしている。

　記者会見の席上や、報道発表資料において同社は、これまで手がけてきたスマートTVや3Dの技術と、Googleのプラットフォームを融合させることで、テレビの視聴体験に革新をもたらすのがGoogle TV参入の狙いであると説明している。しかし、ユーザーインタフェースにMagic Remoteを採用したこと以外にLGとGoogleの間でどのような技術的融合が図られるかについては特に触れられなかったほか、同社が「NetCast」のブランドで提供してきた独自のスマートTVプラットフォームも今後並行して継続展開していくとしており、現時点ではLGのスマートTV戦略についてはまだまだ不透明な部分も大きい。

■Verizon向けのLTEスマートフォンにスポーツのHD映像を独占提供

　スマートフォンでは、Verizon WirelessのLTEネットワークに対応した新製品「Spectrum」が登場。今月19日からVerizon製品取扱店とオンラインで販売を開始する予定で、Verizonとの2年契約時の販売価格は199ドル。発売時はAndroid 2.3を搭載して出荷されるが、今年前半にAndroid 4.0へのアップグレードが提供される予定。

　LGは昨年のCESでもLTEスマートフォン「Revolution」を発表し、Verizon向けに提供を行ってきたが、今回のSpectrumはプロセッサ、画面解像度、カメラ性能などを全面的に向上させた。1.5GHz動作のデュアルコアSnapdragon、4.5インチ・1280×720ピクセルのIPS液晶ディスプレイなど、基本的なスペックは日本でも発売されている「Optimus LTE」と共通する部分が多い。また、AT&T向けにもほぼ同等の性能で、GSM／HSPA+／LTEに対応する「Nitro HD」が発表されている。

　それら他社向けの機種にはない、Verizon Spectrumだけの特徴となるのはコンテンツで、米国のスポーツ専門チャンネルとしては最大手のESPNが提供する携帯電話向けサービスに対応する。ESPNは、スポーツ試合の最新の経過をリアルタイムにチェックできる人気アプリ「ScoreCenter」をAndroidやiOSに提供しており、この中で動画コンテンツの提供も行っているが、Spectrumには限定バージョンのScoreCenterがプリインストールされており、他社製品にはSD解像度で提供されている動画が特別にHDクオリティで提供されるという（LTEまたはWi-Fiで接続されている場合）。

　ESPNは世界最大級のスポーツメディアであり、プロスポーツの人気が特に高いアメリカではキラーコンテンツのひとつとなっている。ESPNのHD映像は、LTEの高速ネットワークとLGの高精細ディスプレイを効果的デモンストレーションできるコンテンツであると考えられる。LGとVerizonは性能だけでなくソフト面でもSpectrumとLTEを訴求していく姿勢だ。