日立、国内外拠点間のデータ通信を高速化する「日立WANアクセラレータ」発売……日米間で約15倍を達成 | RBB TODAY

日立、国内外拠点間のデータ通信を高速化する「日立WANアクセラレータ」発売……日米間で約15倍を達成

エンタープライズ ハードウェア
日立WANアクセラレータ
日立WANアクセラレータ 全 5 枚
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 日立製作所は11日、研究・開発拠点や設計・製造拠点、データセンターをグローバルに展開する企業向けに、国内外拠点間のデータ通信速度を大幅に向上する「日立WANアクセラレータ」を発表した。12日から販売を開始する。

 データ通信の共通技術であるTCP(Transmission Control Protocol)には、往復遅延時間とパケット廃棄率に依存して、グローバル回線などの長距離伝送においてデータ通信速度が大きく低下する課題があった。また、CADデータなどを扱う場合、データが頻繁に更新されるため、キャッシュ技術を用いることができず、WAN回線経由のデータ通信量が増加し、通信時間が長くなる課題も生じていた。

 「日立WANアクセラレータ」は、キャッシュ技術を用いた方式とは異なり、WAN回線の物理帯域を最大限に活用することを特長とする高速通信装置となっている。日立独自アルゴリズムにより、往復遅延時間が長い長距離伝送での性能低下を抑え、効率的なデータ通信を実現した。パケット廃棄率やその変化を測定し、WAN回線の空き帯域をリアルタイムに推定しながらWAN回線に流れるデータ通信量を決定し、空き帯域を最大限活用できるという。本製品を活用することで、WAN(Wide Area Network)回線上で発生する往復遅延時間やパケット廃棄の影響を最小限に抑え、設計データなどの大容量データの通信時間を大幅に短縮できる見込みだ。本製品は、各拠点に対向で設置。企業拠点やデータセンター内の環境に変更を加えることなく、高速データ通信が可能となる。

 2011年2月、本製品の試作機を用いて、本田技術研究所の日米間の環境を利用した効果を確認したところ、100メガバイトのファイルを、標準的なファイル転送の通信規則であるFTP(File Transfer Protocol)を用いて転送した結果、転送時間を約15分の1に短縮できたとしている。さらに2011年12月、本製品を用いて、本田技術研究所の国内の環境を利用した効果の確認では、転送時間で約4分の1の効果が確認された。価格は国内向け2スロットモデルが6000万円より。

《冨岡晶》

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