【物欲乙女日記】SMSを使った個人認証「空電プッシュ」とはなんぞや?
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これらのサイトの登録にはかならず個人認証が必要ですが、じつは最近、これらのサイトで悪徳の業者が複数アカウントを取得して勧誘などの迷惑行為を働いたり、ポイント付与のインセンティブを大量にせしめるという事態が多発しているらしいです!
この問題、ひいてはそのサービスを利用している私たち消費者にとっても無縁の話ではありませんよね。こうした悪質な複数アカウント問題に対して、各サービサーではさまざまな防止手段を講じていますが、そのもっとも効果的な策として期待されているのが、SMSを活用した「空電(からでん)プッシュ」というサービスであるという話を聞きつけました。
たまには物欲乙女もまじめな話題を、ということでいつもよりちょっぴり堅い内容ですが、「空電プッシュ」を提供しているNTTメディアクロスさんと、それをアメブロなどで活用されているというサイバーエージェントさんに話を伺ってきました!
■3キャリアに対応し一斉送信も可能なSMS配信サービス
お話を聞いたのは、NTTメディアクロスの岡本さんと、アメブロから派生したSNS「タッピー」と呼ばれる空電プッシュを採用しているサイバーエージェントの山崎さんです。
空電プッシュを開発・提供しているNTTメディアクロスさんはどのような会社なんでしょうか。まずは岡本さんに聞いてみました。
「まず当社について簡単にご紹介しますと、簡単にテレビの視聴者向けクイズなどで、電話で回答できるようなものがありますよね? あれは当社の「T-voting」(ティー・ボーティング)というサービスだったりします。そのほか、今回ご紹介する「空電(からでん)」や、今回ご紹介する空電プッシュなど、電話と通信、そしてメディアを絡めたサービスを提供しています」(岡本さん)。
ふむふむ。では、空電プッシュって?
「NTTドコモ・au・ソフトバンクの3キャリアのケータイにSMSを一斉送信できるサービスで、WEBサーバーを経由してSSL通信・POSTメソッドでSMSの送信要求を受け付けることができるというものです。システムとしてはすごくシンプルなんですよ」。
シンプルと言われても、わたしとしてはちょっと難しい話なんですが、空電プッシュのキモはどこにあるんでしょうか。シンプルだと他の会社さんにもマネされちゃうんじゃないですか?
「主要3キャリアへの送信を可能にしたことです。じつはキャリアさんそれぞれがSMSを受け付ける規格を持っていまして、それらすべてに対応させるのがなかなか難しいのです。送信要求を受けたものをSMSとして確実に早く端末に届けることができるノウハウは簡単に得られるものではないんです」と岡本さん。
この空電プッシュをユーザー認証に利用しているのが、サイバーエージェントの「アメーバ タッピー(Ameba tappie)」という、つぶやき共有サービス。プライベートなつぶやきを友人同士で共有することを目的としたスマートフォン向けのアプリで、2011年の4月にサービスを開始しています。
■個人認証を強めたいサービスには電話番号認証は必須
次に空電プッシュを導入した経緯について、山崎さんに聞きました。
「アメーバ タッピーは友達同士をつなげていくグループコミュニケーションの要素が強いサービスですので、実名登録・1ユーザー1アカウントとして個人認証を強めたいと考えていました。そこでメディアクロスさんの空電プッシュが導入できないかとお話をして、昨年9月に導入しました。導入以後は、既存のお客様も含めてすべて電話番号で認証しています」(山崎さん)。
携帯電話端末というと、キャリアから端末に付与されるメールアドレスもあるのでこれを使うという手もありそうですが、なぜ電話番号にしたのでしょうか。
「スマートフォンになってPCのメールも端末から利用できるようになり、キャリアメールの利用頻度が変化したことが大きな理由です。PCメールを中心に利用されている方の中には、キャリアのメールアドレスを覚えていないというケースも増えてきていますが、その点、電話番号であれば障壁がさがりますから」。
たしかに電話番号による認証は端末にひも付いたユニークなアカウントですが、一方で類似のサービスをしている業者さんも多そうです。その中で空電プッシュを利用した理由を山崎さんにたずねると「3キャリアに対応していること」を第1の理由として挙げられました。サービスの信頼性と実績ではやはりNTTメディアクロスさんの存在は大きいそうで、「アメーバ タッピーのように電話番号認証を必須化させたいサービスにとってはなくてはならないサービスですね」(山崎さん)とおっしゃっていました。
個人の認証が重要視されるSNSやグループコミュニケーションの用途には空電プッシュはぴったりですが、そのほかの利用例はどのようなものがあるのでしょうか。岡本さんに聞いてみました。
「リピーターを増やすためにポイントサイトなどで1回のサイト訪問でポイントを付与するサービスをしていたりしますが、複数のアカウントを取得たうえでプログラムを組んで、何百・何千というアクセスを繰り返したり、不正にアカウントとパスワードを盗み出すなどのフィッシングサイトも被害が増えています。こうした悪質な利用に対して、端末ユニークのIDである電話番号つまりSMSを使うことで被害を未然に防ぐことができます」(岡本さん)
なーるほど。つまり、「空電プッシュ」は利用者にとっては、安全にサイトを利用できるだけなく、サービス事業者も複数アカウント問題にアタマを悩ませることなく、利用者の満足度を上げられる、という一石二鳥の策なのね。
私たちが日頃利用しているSNSやソーシャルメディアは、こうしたサービスに支えられて円滑・安全に運営されているのですね。勉強になりました。
飲んだり食ったりだけでなく、たまにはまじめな話題もいいですね!
《RBB TODAY》
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