三菱電機、分速1,000mを超える超高速エレベーター技術を開発……中国「上海中心大厦」に搭載
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超高速エレベーターを構成する主な要素には、駆動・制御性、安全性、超高揚程対応、快適性がある。今回、これら4つの要素すべてを向上させるため、新技術と新機器が開発された。
駆動系では、巻上機に省エネ性に優れた永久磁石(PM)モーターを採用し、低騒音・低振動な運転を実現。モーター1台に2つの三相巻線を持つ方式を採用し、2台の制御盤による並列駆動システムを実現した。さらに各主回路には20年以上の実績がある回生コンバータを標準装備し、回生電力を有効活用し省エネ性も実現した。ダブルブレーキ構造、油圧開放方式のクランプ式ディスクブレーキも採用する。
非常止め装置は、上下2段の構成とすることで、高速化にともなう、かごの運動エネルギーの増大に対応した制動能力を確保したブレーキシューには、耐摩耗性や耐熱衝撃性に優れるファインセラミックを採用し、制動時に発生する摩擦熱の高温下でも、安定した制動性能を実現する。さらに、かご速度を機械的に監視する調速機に新機構を開発・採用し、高負担荷重に耐えて安定した速度検出を行い、超高速・高揚程に対応した。
そのほか、従来ロープに比べ質量比強度の高い新構造ワイヤロープ、レール曲りや風圧による横揺れを効果的に制振する新型アクティブローラガイド、風音そのものを低減させる流線型整風カバー、かご室内への風音の伝播を抑える高遮音かご室構造などを開発したとのこと。
《冨岡晶》
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