世界初!海洋におけるメタンハイドレート産出試験……愛知県沖で事前掘削がスタート
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メタンハイドレートは将来の天然ガス資源として注目されており、2001年度から2008年度まで「我が国におけるメタンハイドレート開発計画」のフェーズ1として、東部南海トラフ海域(静岡県から和歌山県の沖合にかけた海域)での地震探査・試掘などが実施された。その結果、同海域において、日本の年間ガス消費量(2005年)の約13.5年分に相当するメタンハイドレートの賦存が確認されている。
2009年度から開始された同計画のフェーズ2では、メタンハイドレートを天然ガスとして取り出す技術の開発を目指しており、今回の試験は、海洋における世界初のメタンハイドレート産出実験とのこと。
今回のメタンハイドレート海洋産出試験の作業期間は2年にわたる予定。まず、今年2月から3月にかけて、事前掘削として生産井やモニタリング井の坑井掘削を行い、来年1月から3月の期間内に、産出試験(フローテスト)を実施する計画となっている。
作業地点は愛知県沖の第二渥美海丘で、実施主体は経産省から受託された独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)。同試験にかかわる掘削工事を担当するのは、石油資源開発(JAPEX)。
今回の産出試験は、商業生産ではなく、調査段階の試験作業だが、海底面下のメタンハイドレートの生産状況や地層の変化の把握など、将来のメタンハイドレートの実用化に向けた貴重なデータが得られるとみられ、メタンハイドレートの資源開発研究にとって、大きな前進となることが期待されている。試験の成果を活用して、今後の第2回海洋産出試験の計画や、将来の商業生産に向けた技術基盤の整備(フェーズ3として2016~2018年度を予定)を進めていく予定とのこと。
《白石 雄太》
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