台湾で日本コンテンツ海賊版を一斉取締り……「坂の上の雲」「家政婦のミタ」なども押収
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IPR警察では昨年11月より、CODAの要請に基づいて日本コンテンツの海賊版取締りを継続しており、今回を含むこれら一連の取締りの結果、4ヵ所の夜市で露天商を含む5店舗を摘発し、それぞれの経営者を逮捕、合計で約1万枚の日本コンテンツの海賊版DVDが押収されたという。
今回の一斉取締りは、台湾において蔓延する日本のテレビ番組の海賊版を排除する目的で実施されたもので、台湾全土に広がっているとみられる日本コンテンツ専門の海賊版販売店に対象を絞った、初めての取締り案件となった。
1日に行われた家宅捜索では、台北市内の2店舗と新北市内の1店舗が対象となり、このうち台北市内の2店舗は、観光客などで賑わう「饒河街夜市」に所在しており、夕刻、店舗の営業開始を確認して実施された強制捜査は大勢の買い物客等が見守る中で粛々と行われた。このうち1店舗では「坂の上の雲」や「家政婦のミタ」、「深夜食堂 第二部」など最新の日本ドラマを含む、約6,500枚の海賊版DVDが押収されたとのこと。
また、同じ夜市で行われたもう1店舗の家宅捜索では約1,000枚、新北市の「楽華夜市」で行われた海賊版販売店での家宅捜索では約500枚の日本コンテンツの海賊版DVDが押収されている。
なおこれらの取締りは、CODAと業務提携する、現地の著作権保護促進・侵害監視を目的とする公益財団法人「台湾著作権保護基金会」(TFACT)の協力を得て実施された。
TFACTの調査によると、台湾全土では約60店舗の日本コンテンツ専門の海賊版販売店が存在しており、市場に出回っている海賊版は約30万枚と推定され、また、製造過程にある海賊版ディスクも合わせると、100万枚以上の海賊版が存在しているとみられている。
テレビドラマの場合、日本での放送終了後2週間程度で台湾の市場に海賊版として現れ、1枚当たり100台湾ドル(約300円)前後で販売される。
このためCODAでは、日本の放送事業者である各権利者への情報提供等を行い、その結果、日本放送協会(NHK)、TBSテレビ、日本テレビ放送網、フジテレビジョン、讀賣テレビ放送の5局の要請を受けて、現地における具体的な対応策に関する諸準備をスタートしていた。
CODAでは、この一斉取締りが、海賊版の製造業者、流通業者に対する今後の大きな抑止力になることを期待しているが、今回の取締りのみで台湾の市場が一気に正常化するものではなく、今後も、日本コンテンツ海賊版への対応は、長期的視野に立ち、定期的かつ継続的に行なっていく必要があるとしている。
《白石 雄太》
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