「落とし物のスマホ、拾った人はどう扱うか?」……シマンテックが50台をわざと“放置”
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
この実験では、Security Perspectives社のスコット・ライト氏協力のもと、ダミーの企業データや個人データを入れた端末を用意。さらに、その端末が発見された後、データに対して行われた操作がリモートで監視できる機能を追加したうえで、意図的に紛失させた。こうして50台のスマートフォンが、ニューヨークシティ、ワシントンD.C.、ロサンゼルス、サンフランシスコ、オタワ(カナダ)の5都市で“置き忘れ”となった。置き場所は、エレベーターやショッピングセンター、フードコート、バス停など、人通りの多い公共の場所だった。
その結果、スマートフォンを見つけた人のうち、50%がスマートフォンを持ち主に返そうとしたこと、そして、発見者の96%がスマートフォンの中にあるデータにアクセスしたことが判明した。もちろん持ち主を割り出すためにデータにアクセスした可能性があるが、発見者の6割がソーシャルメディア情報や電子メールを見ようとしたこと、発見者の83%が企業情報(「HR Salaries(給与)」や「人事(HR Cases)」といった明確な名前の付いたファイルや、その他各種の企業情報)にアクセスしようとしたことが明らかとなっている。なお「ハニースティック」スマートフォンには、リモートコンピュータやネットワークにアクセスできるように見せかけたアプリケーションも組み込まれており、発見者の49%は「Remote Admin(リモート管理)」アプリを実行しようとしたという。「保存したパスワード」というファイルには、57%がアクセスした。
これらの数値は、人によってそれほど衝撃的ではないかもしれないが、「ほとんどの人がデータをのぞこうとし、しかも半分のスマートフォンは戻ってこない」「発見者の半数は、持ち主の銀行口座レベルの情報にもアクセスしようとした」ことになる。
シマンテックでは、「パスワードによる保護」「リモートから端末上のデータをワイプ(消去)する機能を付ける」という2点を推奨している。
《冨岡晶》
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