【インタビュー】海外製品で手厚いサポート、大規模ネットワーク対応の脆弱性検査ツール……KCCS「nCircle IP360」
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そこで、同社常務取締役 ICT事業統括本部 副統括本部長 松木憲一氏に、「nCircle IP360」の機能と歴史、差別化ポイント、最新製品の特長などについて話を聞いた。
●取り扱いから今年で10年目
――まず最初に、KCCSが「nCircle IP360」を販売するようになったきっかけを教えて下さい。
KCCSは1995年に京セラの情報部門として設立され、今年で17年目を迎えます。ICT事業の重要な柱がセキュリティ事業で、「nCircle IP360」「Tripwire」など、海外企業が開発した優れた製品・サービスを日本に持ち込んで販売しています。
nCircle社と代理店契約を結んだのは、ちょうど10年前、私がUSに駐在していた当時で、nCircle社は、1998年に設立された、まだ若いベンチャー企業でした。
●網羅性と即時性
――「nCircle IP360」とはどんな製品ですか。
「nCircle IP360」は、企業内のネットワークに存在するサーバやPC、アプリケーションなどのIT資産を洗い出し、その脆弱性を検出しレポートすることで、リスク把握と対策支援を含めた管理を行います。
ネットワークを診断する「Device Profiler」と、「Device Profiler」に診断ルールを配信したり、診断結果の収集やレポート表示などの管理を集中して行う「VnE Manager」の2種類のアプライアンスから構成されます。
アプライアンスの他、ソフトウェア、ASPでも提供され、USでは、政府や金融機関、メディア企業などに採用されており、日本では、トヨタデジタルクルーズ様、NTTコムウェア様、京都大学様など、100社を超える導入実績があります。
今年の3月現在で「nCircle IP360」の診断ルールは、脆弱性が約26,600種類、アプリケーションが約8,600種類、OSの判別が約1,900種類と網羅性があります。また、MSの月例パッチが公表から24時間以内に適用されるなど即時性も備えています。
診断はエージェントレスで行われ、PCI DSSなど、様々な用途と対象者に向けたレポートを出力することができます。
●数万IPの大規模ネットワークに対応
――他の脆弱性検査ツールとの差別化ポイントはどこにありますか。
まず、大規模ネットワークへの対応です。「nCircle IP360」は数万IPでも対応可能です。あのFacebookも「nCircle IP360」を使っています。次が診断スピードで、スキャナ1台で一日に一千IPを診断できます。また、見つかった脆弱性の危険度を、低・中・高などの少ない段階ではなく、独自の計算式によって危険度を数値化するので、対策の優先順位が明確にわかる点も特長と言えるでしょう。
また、2005年から「VnE Manager」から外部データベースへ診断結果をエクスポートするオプション機能「Suite360 Intelligence Hub」を提供しており、組織や業務に合わせた診断レポート作成に利用されています。
――サポート体制を教えてください。海外製品のサポート体制には多くのユーザーが不安や不満を持っていることが多いですが
メールで解決しない問題は積極的に電話するなどアクティブなサポートを心がけています。また、10年以上海外製品を扱ってきましたから、それぞれのベンダについて、その社内の細かい担当者までよく知っており、「nCircle IP360」も例外ではありません。
●今年後半にIPv6対応
――今後の製品ロードマップを教えてください
3月にリリースされるVer.6.9では、APIの強化、Webアプリケーション診断機能の強化、仮想アプライアンス型スキャナの提供開始など、既存機能の充実を図ります。そして2012年後半には、業界初のIPv6に対応した診断機能を提供するVer.7.0をリリースする予定です。
――楽しみですね。これからの市場戦略はありますか
これまで「nCircle IP360」はもっぱら、外部公開サーバへの不正アクセス対策として利用されてきましたが、今後は標的型攻撃などによる感染端末の検出など、内部のリスク管理に利用する需要があると思っています。
今回の顧客満足度1位の評価をスタートラインとして、今後もITの安全安心の提供に貢献していきたいと思います。
――ありがとうございました。
《RBB TODAY》
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