講演ではビジネス開発部長のNorman Tyrrell氏が登壇し、eMBMSの特徴を説明。LTEブロードキャストはLTEで使用される帯域の一部をブロードキャストのために割り当てる。必要に応じて動的にカバレッジや容量を変更することが可能で、周波数資源やネットワーク容量を効率的に利用し、ライブコンテンツなども効率的に配信することが可能だという。かつての「MediaFLO」で培った経験とノウハウをベースに、LTEでの利用に最適化した。
例えば、多くの端末へのソフトウェア更新の配信をオフピーク時に行ったり(FOTA:Firmware Over The Air)、逆に、ピーク時のスポーツ中継や音楽コンサートのライブ中継、またグループメッセージングなど大容量のデータを必要とする際にはネットワーク容量を拡大できる特長があるという。
デモンストレーションでは、同社のチップセット「Snapdragon S4(MSM8960)」ベースのデバイスで、H.264の動画を5つ同時にストリーミング配信。また、ユニキャストととの比較では、段違いの効率を確認できた。
クアルコムでは今後、エリクソン社などの主要インフラ機器メーカーと協力し、通信事業者によるeMBMSの導入を働きかける。2013年には端末に対応チップを搭載させる見込み。