タブレット端末による障がい児学習支援…東大とソフトバンクがマニュアル作成
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タブレット端末を、特別支援教育の必要な子ども達の苦手を補う魔法の道具が詰まった筆箱に見立て、「魔法のふでばこ」と命名されたこのプロジェクトでは、障がい児の学習支援の促進を目的に、協力校にiPadを一定期間無償貸与。教育現場での活用の有効性を検証してきた。
「障がいのある子どもたちのためのタブレット端末を活用した学習支援マニュアル」は、その成果などをもとに作成されたもので、活用の10のポイントを紹介するとともに、特別支援学校10校での1年間の活用事例の「狙い」「工夫」「結果」を紹介している。また、障がい種別ごとにタブレット端末の機能と、活用方法をマトリックス形式の一覧表にまとめている。
たとえば、読み書きに困難のある子どもへの学習支援としては「音声読み上げ機能や1行ごとの表示を使い、読みにくさを補う」「音声やキーボードによる入力やカメラ機能による、書き写しの代替」が行われた。視覚障がいのある子どもへの教材としては「音声読み上げ機能や画面のズーム機能を使い、見えにくさを補う」方法で活用された。また、軽・中度の知的障がいのある子どもの職場実習での活用では「移動の経路やスケジュール確認、コミュニケーション機能活用などで自立行動を支援する」ことが行われたという。
マニュアルの冒頭では、「その道具(タブレット端末)は使い方によってさまざまな目的に活用できます。魔法使いの先生達のアイデアでさまざまな活用が生まれていくでしょう。」としている。
ICTの利活用は特別支援教育においてもその有効性に期待されており、また、今年2月には、東京大学先端研究所センターと日本マイクロソフトが共同開発した、障がい児の入試支援ソフトウェア「Lime(ライム)」(PC向け)の無償公開が発表され、注目されている。
《田村 麻里子》
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