混乱続くヤフー、学歴詐称問題でトンプソンCEOが退任
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学歴詐称問題は、トンプソン元CEOがコンピューターサイエンスの博士号を取得しているとする学歴が事実ではないと株主から指摘されていたもの。ヤフーは9日にこの問題を調査する特別調査委員会を設置し、外部の弁護士とともに徹底した調査を行うとしていたが、その調査の経過などについて発表がないまま、委員会設置からわずか4日でCEOの退任となった。今回の発表では学歴詐称問題には触れられていない。
ヤフーはGoogleなどライバル企業との競争で劣勢にあり、その経営は逼迫している。そうした背景からこの1年ほどは人事面での迷走が続いている。ヤフー復権の期待を込めて2009年に登用した敏腕のキャロル・バーツCEOを2011年9月に電撃的に解任。しかもその後、CEOを空席とする異例の事態が3ヵ月続き、その間にヤフー創業者の1人であるジェリー・ヤン氏がヤフーを去った。また、取締役や会長の辞任なども相次いだ。
その後、トンプソン氏がCEOに就任し、一連の混乱は収束するかに見えた。しかし、CEOを空席にしたまま3ヵ月もかけて人選した末に就任したそのトンプソン氏が、わずか4ヵ月で退任する事態となった。後任のレビンソーン氏も暫定CEOとなっており、ヤフーの混乱が収束するかはまだ不透明だ。
なお、ヤフーは退任を表明していたロイ・ボストック会長の後任にアルフレッド・アモロソ氏を指名した。さらに、ヤフーは今回の学歴詐称問題を提起した株主の、Third Pointと和解、同社のCEOなど3人がヤフー取締役に加わる。
《山田 正昭》
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