100種を越えるアプリ・サービスを家に居ながらにタブレットで! ケイ・オプティコムのeoスマートリンクがいよいよスタート
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eoスマートリンクは、タブレット端末(Sony Tablet)とホームネットワークサービスを組み合わせて、あらたなライフスタイルをユーザーに提案するもの。NTT西日本でも同様のサービスはあるが、サービス提携はイオンのみ。ケイ・オプティコムでは既に24社と提携しており、この7月に提供予定の電子チラシや高機能学習リモコンを含めた27種類のサービスのほか、同社の独自マーケット「eoアプリマーケット」上で合計100種類を越えるアプリ・サービスを展開するという。
ケイ・オプティコムは、これまで130万戸以上のユーザーにeo光ネットを提供してきた。近畿地方は日本で最もFTTHの利用率が高い激戦区だ。今後は徐々にFTTHの需要が飽和状態になっていくことも予想され、残りの3割ほどのユーザーの獲得を巡る攻防も激しくなっている。そこで同社では、従来までのインフラ中心のサービスに加えて、今後はサービス・アプリケーションに近い部分も含めて展開していく意向だ。
同社代表取締役社長の藤野氏は、「通信事業を取り巻く環境は非常に厳しい。いま、まさに固定通信事業は大きな転換期を迎えている。このような状況を踏まえ、弊社ではお客様のライフスタイルに応じた低価格な料金戦略と、固定回線の強みを活かしたFTTHならではといえる利活用戦略を重点的に展開している。このうちの利活用サービスの一環として、eoスマートリンクの提供を開始した」と説明した。
■ユーザー、サービス事業者、双方にメリット
eoスマートリンクの具体的なビジネスモデルはこうだ。まずケイ・オプティコム側で、さまざまなサービスを一元的に提供できるオープンなサービス共通基盤「eoスマートリンクプラットフォーム」を構築。そこにサービス事業者側が、さまざまなアプリケーションやサービス、商品を提供していく形だ。プラットフォーム上でサービスを連携するための規格を標準化し、ガイドラインを公開することで、サービス提供者が参入しやすい状況を整えたという。
サービス事業者は、AndroidアプリやWebサービスなどを開発し、プラットフォームに乗せてユーザー側に各種サービスを届ける。その際の課金・認証・決済機能やECサービス連携などは、ケイ・オプティコム側で行うことになり、サービス事業者はプラットフォーム利用料と決済代行手数料を同社に支払うことになる。藤野社長は「eoスマートリンクは、ユーザー側とサービス事業者、双方にメリットがあるものだ。今後はさらに新しい領域に踏み込み、“賢くつなげて、暮らし快適”をコンセプトに内から外へ、家庭の暮らしから街全体までも快適にしていきたい」と意気込みを語る。
本サービスを利用する際には、9.4インチ大画面の「eoスマートリンクタブレット」を家庭内のWi-Fi環境につなげる。本端末は、Sony Tabletをケイ・オプティコム仕様にしたもので、直観的に操作できる専用画面や、音声入力機能などの独自機能も追加。たとえば「eo音声コンシェルジュ」によって、高齢者やPCが苦手なユーザーでも簡単に利用できるように工夫が凝らされている。将来的にはソニー端末だけでなく、マルチデバイスに対応していきたいという。
eoスマートリンクの主なサービスだが、ホーム画面から8つの基本となるカテゴリーを選択できる。7月までに提供されるのものは「生活情報」(4サービス)、「お買い物」(7サービス)、「ヘルスケア」(3サービス)、「エンターテインメント」(6サービス)、「ホームICT」(2サービス)、「アプリマーケット」(20サービス)、「セキュリティ」(1サービス)、「情報提供」(3サービス)で、8月以降もエネルギーマネジメント・ホームコントロール系やヘルスケア系などを含む52社のサービスが開始される予定だ(交渉中も含む)。
■生活のあらゆる場面で活用できる
詳細のサービスについては写真をご覧いただきたいが、発表会ではeoスマートリンクを活用し、家庭の1日を追うデモンストレーションも行われた。以下、役立ちそうなサービスをいくつかピックアップしてみよう。生活情報サービスでは、突発的な水回りや鍵の故障などに対応できる緊急トラブルサポートや、家事代行・お手伝いサービス、宅配クリーニングが便利そうだ。
高齢者社会に向けたヘルスケアサービスもユニークだ。これは、体重・血圧など日々変化するバイタル情報を手動あるいは自動(予定)で入力し、クラウド側で管理して「からだ情報の見える化」に貢献しようというもの。蓄積データはスマートフォンでも見られるようにする予定だ(今夏対応)。同社の福永尊光氏(サービスマネジメント グループマネージャー)は「現在のターゲットは家族が中心だが、今後はPCを使っていないユーザーや高齢者などにも広げていきたい」という。お買い物のサービスは、いわゆるECサービスにあたるものだが、大阪市中央卸売市場本場のような生鮮食品を購入できる点がよい。中トロなど鮮度にこだわった商品が届けられるのは魅力的だ。エンタメサービスでは、TUTAYA.com、パピレスなどドラマや電子書籍などのコンテンツをタブレットで楽しめるようになる。
筆者が個人的に興味を覚えたのは、ホームICTのカテゴリーだ。グラモの「iRemocon」サービスを導入すれば(7月提供)、家庭にいるときはeoスマートリンク→高機能学習リモコン→家電というように、規格が異なる家電を1台の専用リモコンでコントロールできる。また外出時はスマートフォンから制御し、帰宅直前に電気を付けたり、クーラーを付けて部屋を冷やしておくことも可能だ。また昨今の電力事情から節電対策も重要になる。電気エネルギーを見える化するエネゲートの「SmartEcowatt for eo」もタイムリーなサービスだろう。
■リーズナブルな料金設定
さて気になるeoスマートリンクの料金だが、端末の分割料金も含めて980円とリーズナブルに設定。これには2年間縛りのeoスマートリンクプレミアムパック割引が適用されている。3年目以降はeo光ネット+月額300円の料金となる。もちろん一括払いもOKだ。このときは初期費用1万6320円で、これまでのeo光ネットに月額料金300円が加算されるだけ。これだけ多くのサービスが用意されているのなら、一度は試しに使ってみたい気にもなる。ケイ・オプティコムによる新サービス、eoスマートリンクが、FTTHの利活用として大きな決め手になるのか、今後の動向を注意深く見守りたいところだ。
《井上猛雄》
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