【Interop Tokyo 2012】Ver.3.0で一歩先行くNECのOpenFlow対応製品「UNIVERGE PF」シリーズ
ブロードバンド
テクノロジー
注目記事

「UNIVERGE PF」シリーズは、OpenFlow技術を採用してネットワークのシンプル化、仮想化、可視化を実現する製品で、プログラマブルフロー・コントローラとプログラマブルフロー・スイッチで構成されるシンプルな物理ネットワーク上に、SDN(Software Defined Network)のコンセプトに基づき、個々に独立した論理的なネットワークトポロジを組むことができる。
複数の物理的なプログラマブルフロー・スイッチを、あたかも1台の大きな仮想的なスイッチとして管理することができるため、運用・管理の手間を軽減でき、初期導入コストや運用コストの削減にもつながる。また、通信の負荷増大や障害検出時には、最適な経路に瞬時に切り替えるなど、運用・管理の自動化も容易だ。
同製品は、すでに昨年の「Interop Tokyo 2011」でも展示され、2部門でグランプリ、1部門で特別賞を受賞しているが、今回展示されている製品は、Ver.3.0にアップデートされたもので、より柔軟で使いやすくなったという。
Ver.3.0で進化した点は大きく3つある。1つ目は、ビジュアル化されたツール群の充実だ。管理ツールのGUI上で、サーバ、スイッチ、ルータ、各種アプライアンスといった仮想的なネットワークデバイスのアイコンを画面上に並べ、接続したいアイコン同士を線で結ぶといった、ネットワーク図を描く感覚で仮想ネットワークを構築できる。また、仮想ネットワーク上のトラフィックが、実際に物理ネットワーク上のどこを通っているのかを、物理ネットワークの図上で視覚的に捉えることもできる。これにより、仮想ネットワークの構築や、障害発生時の場所の特定にかかる時間が大幅に短縮できるようになった。
2つ目は、プログラマブルフロー・コントローラのAPIの公開により、外部アプリケーションとの連携が可能になったことだ。会場においても、NECブースでのデモでは、サードパーティであるアイビーシーの大規模システム向け性能監視ソフトウェア「System Answer G2」を利用して、ネットワークの監視を行っていた。ネットワークの負荷増大や障害発生時には、動的にネットワークの構成を変え、管理者の手間を軽減するという。
一方で、OpenFlow ShowCaseでのデモでは、radwareの開発したソフトウェアにより、急なトラフィック増大があると、パケットがradwareのDoS/DDoS攻撃防御アプライアンス「DefensePro」を通るように経路を変更するように構築されており、OpenFlowを利用したネットワークセキュリティ・ソリューションとして提案されていた。
3つ目は、Windows Server 2012のHyper-V向けに、OpenFlow対応のvSwitchを提供している点だ。これにより、Windows Server 2012上の仮想サーバを、手軽にSDNに組み込むことができる。
先にも述べたが「UNIVERGE PF」シリーズは、以前のバージョンも評価が高く、すでにNEC社内データセンターはもちろんのこと、金沢大学附属病院や日本通運などへの導入実績も持っている。今回のバージョンアップで、さらに柔軟で使いやすいものへと進化し、他社製品に比べ、また一歩先んじたと言えるだろう。
《竹内充彦》
特集
この記事の写真
/