産総研、動いている物体の形を精密に3次元計測する技術を開発……非接触で心拍の計測も可能
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
波線からなる格子パターン光を物体に投影し、カメラで撮影することで、撮像された瞬間の物体表面の3次元形状を計測可能とした。さらに、撮像された瞬間の1枚の画像だけでその形状を得ることができるため、高速度カメラを用いれば、高速に運動・変形する対象の表面形状の測定も可能だという。市販ゲームに用いられているあるセンサーでは、1~2cmの誤差があるのに対し、この技術では1~2mmの誤差となっている。
この技術では、まず、対象とする物体に、縦・横の波線からなる格子パターンを投影。画像処理によって物体表面に投影された波線を検出し、線がどのようにつながっているかを示す交点グラフを作成する。各交点は、投影したパターンと撮影したカメラ画像で1対1に対応するので、交点の組み合わせを最適化し、投影パターンと画像の各交点の対応を決定する。対応が決まると三角測量によって交点の3次元位置が計測できる。最後に、画像のすべての画素について交点を補間し、計算した形状が画像と一致するように最適化し、高密度な形状を生成するものだ。
具体的には、表面形状を30~2000コマ/秒で3次元計測することが可能とのこと(通常のカメラでは24~30コマ/秒)。運動する人体の観測による人間の運動解析や医療への応用、非接触心拍計測、柔軟に変形する衣服のモデリング、衝突による構造物の変形のような高速な事象における材料・構造物の解析などへの利用が期待される。
《冨岡晶》
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