インテルで小学生が職業体験、PCの組み立てやセキュリティ講座
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「子どもが育つ街」としてのライフスタイルを提案する「子どもが育つ街研究会」は、茨城県が2011年11月に発足。住環境と教育の専門家として知られる早稲田大学の佐藤将之准教授の監修のもと、子どものポテンシャルを伸ばす街として、つくばエリアでのライフスタイルを提案してきた。
今回実施された「つくばスタイルインターン」は、同研究会としては初の試みで、第1弾となったインターン企画に賛同したのはインテルだった。「子どもが育つ街研究会」のメンバーとして同社の緒方功治氏が参加していること、そしてインテルが21世紀型スキルの教育事業に力を入れていることもあり、今回の小学生を対象としたインターンシッププログラムが実現したという。
インターンの内容は、パソコンの歴史に関する説明、マカフィーによるインターネットセキュリティに関する講座、パソコンの組み立て業務、テレビ会議による業務報告など。応募があった26組の親子から抽選で決まった10組22名が参加した。
子どもたちが最も夢中になったのは、パソコンの組み立て業務だ。「使ったことはあるけど、パソコンの中を見たことはない」と答える小学生は、各部品を箱から取り出すだけで目の輝きを変えていた。インテルのエキスパートスタッフのもと、マザーボードへのCPUやファンの取り付け、メモリーの取り付け、配線など、白衣に身を包んだ子どもたちが保護者と相談しながら作業を行った。
少し力が必要なメモリーの取り付けから、細かな配線作業まで、問題なく行った参加者たちは、ディスプレイ、キーボード、マウス、LANケーブルなどを取り付けて、自作PCが起動するかを試す。「ちゃんと動くかドキドキした」と話す小学生も、起動後はグーグルアースで富士山や東京スカイツリー、ディズニーランドなどを検索して楽しんでいた。
インターンとしてパソコンの組み立て業務を成功させた子どもたちは、インテルの東京本社にいる板越正彦本部長に1日の業務をテレビ会議で報告。参加した小学生ひとりひとりが「どんなコンピューターがあったら、今以上に便利になるか」という本部長の問いに答えた。
「お年寄りや身体の不自由な人が声だけで使えるパソコン」「軽くて便利で目に優しいパソコン」「考えたり、思っただけで検索できるパソコン」「入力するだけでその場所に連れて行ってくれるようなパソコンを乗せた車」「調べただけで、ディズニーランドに行ったような気になれるパソコン」など、コンピューターの今後の可能性を東京の本部長に提案した。
板越氏は、思っただけで検索できるパソコンを作るには、もう少し時間がかかると説明。そのような未来のパソコンが作れるエンジニアになって、将来はインテルに入社してほしいと小学生に答えていた。
つくば市在住の小学4年生の男の子は、パソコンを組み立てる作業において最も苦労したのはCPUの取り付けだと話す。マザーボードにCPUを固定するためのレバーを引くには力が必要だったからだろう。その一方で、難しいと思われた細かい配線作業は楽しかったと話す。家庭だけではなく、学校でもパソコンを使うことが多いと説明する同生徒は、また自分でパソコンを組み立ててみたいと話してくれた。
参加者の保護者の満足度はどうだったのだろう。子どもの興味を引いたパソコンの組み立て作業はもちろんだが、保護者は、マカフィーのセキュリティに関する説明や、「子どもが育つ街研究会」が提案するライフスタイルへの評価も高かったようだ。イベント終了後に回収したアンケート結果によると、つくばエリア以外に住む参加者全員が、「このエリアに住んでみたい」と回答したという。
次回の「つくばスタイルインターン」も含め、「子どもが育つ街研究会」の今後の試みが注目される。
インテルで小学生がインターン、パソコンの組み立てやテレビ会議を体験
《湯浅 大資》
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