大学生の「科学用語」への知識と興味、この10年で大幅に向上……慶應大調べ
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対象は慶應義塾大学文学部、経済学部、法学部、商学部の1,2年生および理工学部の1年生で、実施時期は2012年4月。文系学部409人(うち女性138人)、理工学部415人(うち女性81人)総計824人から回答を得た。
まず「最新の科学知識を何から得るか」を質問したところ、もっとも多いのが「テレビ」(文系67%、理工66%)で、次に「インターネット」(文系57%、理工60%)、「新聞」(文系39%、理工40%)、『Newton(ニュートン)』(月刊のビジュアル科学誌)と続いた。10年前(2002年春調査)と比較すると、新聞(文系理工どちらも61%)が減り、インターネット(文系25%、理工40%)が増えた。インターネットは10年前には文系が理工より15ポイントも低かったが、今回の調査ではほぼ同じになった。
この調査では、科学用語36個について「聞いたことがあるか」「興味があるか」なども質問している。それによると、2002年から「ダークマター」「ニュートリノ」「カーボンナノチューブ」の認知度が大きく増え、文系理工にかかわらず、20ポイント以上増加した。「体内時計」は1992年から2002年にかけて認知度が急増し、そのまま認知度90%以上を保っている。「メルトダウン」は20年前には認知度が半分以下だったのが、原発事故の影響で、認知度90%以上となっている。
また用語に対する「興味率」についても、10年前・20年前と比べ、興味をもつ用語の数が大幅に増えていることが明らかとなった。調査では、どの用語も興味率が大きく増加しており、特にこの10年で、宇宙関係(「ビッグバン」「宇宙膨張」「ダークマター」「ブラックホール」「超新星」「一般相対性理論」「ニュートリノ」)の他、「カーボンナノチューブ」「遺伝子組み換え」「人工知能」が上昇、文系ではそれに加えて「国際宇宙ステーション」「地球温暖化」「メルトダウン」に対し大きく興味率が増加した。
この背景としては、2002年の小柴昌俊さん、2008年の南部陽一郎さん、小林誠さん、益川敏英さんのノーベル物理学賞受賞、日本人宇宙飛行士の続出、「はやぶさ」の活躍など、さまざまなエポックが関心を呼んだことがあげられている。
《冨岡晶》
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