前年比では減少となったもののビデオソフト、テレビアニメ、配信はほぼ横ばいで、劇場映画が減少した。報告によれば国内の劇場映画市場全体が不振だったこと、100億円を超えるヒット作がなかったことが理由である。
スタジオジブリ作品の『コクリコ坂から』が興行収入44億6000万円にとどまったこと、海外アニメーションが最大ヒットの『カーズ2』でも30億円であったことなどが影響した可能性がありそうだ。
メディア開発綜研はこのほか、テレビアニメは微増、ビデオソフト市場は下げ止まり、配信市場は拡大しているとする。そして、2012年以降は、アニメチャンネルの拡大や、スマートフォン・タブレット端末向けサービスの普及による配信市場の動向に注視している。
メディア開発綜研のアニメーション市場規模は、アニメーション市場調査が少ない国内で継続的な発表統計となっている。市場範囲は劇場用アニメ、アニメビデオソフト(セル/レンタル)、テレビアニメ、配信(PC、IPTV、携帯向け)とやや狭義だが、長年同じ指標を用いて調査しているため時系列の動きが分かりやすい。
その調査によれば、国内のアニメーション市場規模は、2004年以降ほぼ安定している。2004年から2011年の間で最も大きかったのが2006年の2415億円、最も低いのが2008年2129億円、比較的狭いレンジで推移していることが分かる。
メディア開発綜研
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