若松監督の遺作となった来春公開予定の「千年の愉楽」に主演する女優の寺島しのぶは、17日の夜中に知人からの電話で監督の訃報に触れたという。18日に更新した自身の公式ブログでは「突然いなくなってしまった若松監督。人をびっくりさせることが大好きな監督。『銀熊賞取れなかったよ』『嘘!おめでとう!』って驚かせてくださったみたいに嘘だよって言いながら現れてほしい」「何よりも映画を作り上げることに執念を燃やした監督。今いったい、いったいどこにいらっしゃるんですか?」と、唐突すぎる死を受け入れきれない気持ちをつづった。
同じく同作に出演する俳優の佐野史郎は、監督の入院が報じられた当初、自身のTwitter上で「若松孝二監督!!とにかく、無事のご回復を!」とのツイートを投稿していたが、その願いも虚しく監督の訃報に触れると、18日には自身の公式サイト上に追悼文を掲載。「湯布院映画祭で『千年の愉楽』を持って一緒に参加させていただいたのが最期になろうとは…。同じ部屋に泊まり、遅くまで語りあったこと…作品の数々の想い出…。監督!本当にありがとうございました。ご冥福をお祈りいたします」と悲しみをにじませた。
また、監督が唯一、音楽ビデオクリップを手がけたロックバンドのソウルフラワーユニオンは、同バンドの公式Twitter上で、「若松のオヤジが亡くなった。急過ぎる。言葉がない」「生涯一貫して、権力、権威と対峙し、ぶれる事がなかった。見事な人生だった。私にとっては最後まで、『偉大なアニキ』だった!安らかに眠れ!!!!」と、故人を偲ぶツイートを投稿している。
若松孝二監督は1936年4月生まれ。76歳だった。