EFの国際英語能力調査、日本は54か国中第22位
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2009年から2011年までの3年間にわたる同調査の対象となったのは、就業している世界各国の成人約150万人。EFの無料オンライン試験を受けてもらうことで、国別の指標だけでなく、性別、年齢、職種、職務、地域別の英語能力指数を明らかにしたのが特徴だ。
調査結果によると、日本はランキングに掲載されている54か国中第22位、成人の英語レベルは「標準的」とされた。「非常に優秀」と評価されたのは、スウェーデン、デンマーク、オランダ、フィンランド、ノルウェーの5か国で、北欧の国が目立つ。アジアでは、シンガポールが第12位ともっとも高く、マレーシア(第13位)、インド(第14位)、パキスタン(第17位)、韓国(第21位)に続いて日本がランクインした。経済協力開発機構(OECD)加盟国の平均スコアと比較すると、日本は平均以下となった。
国別の英語能力指数に加え、興味深いのは国内の地域別指数だ。国内の平均EF EPIスコアが54.14ポイントだった日本においても、東京では58.65ポイントと国内平均を大きく上回り、英語を公式言語としているシンガポールと同スコアだった。京都や大阪においても、それぞれ56.71ポイント、55.46ポイントと全国平均を上回ったことも明らかになった。
日本国内の男女別EF EPIスコアも興味深い。国内成人女性の平均が55.57ポイントだったことに対し、男性は54.57と下回ることが明らかになり、アジア全体においても同様の傾向がうかがえる。韓国においては、女性の56.46ポイントに対し男性が54.15ポイントと大きく差が開いたことも特徴的だ。
EF英語力指標調査は、無料オンライン試験を受けた人を調査対象としているため、英語に対する興味が低く、試験を受けなかった人が調査結果に与える影響は大きいだろう。たとえば、英語が国の公式言語とされており、英語で教育を受けてきたシンガポール人と東京都民の平均英語力が同等とは考えにくい。
その一方で、調査レポートをまとめたケイト・ベイル氏の「日本人の英語力は他の先進国と比べるとまだまだ劣っている」という指摘は間違いではないだろう。文法重視の英語教育を問題視するベイル氏は、「教師と生徒の立場の違いが会話練習を妨げる要因となり、日本の英語教育の問題につながっているのではないか」と分析する。
英語能力を学力ではなくコミュニケーション能力と捉えるべきだろう。ベイル氏が「数学と国語は国際的な試験でも優れた結果を残している」と評価する日本人が、それらの能力を国際舞台で発揮するためのコミュニケーションスキルだと考えることができれば、教育面における英語の位置づけも変化するのかもしれない。
《湯浅 大資》
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