山寺宏一「今の子どもたちにはゾロリの世界が必要」……初の長編映画
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実は山寺自身、原作を全巻持っているほどのゾロリファンなのだ。山寺は原作の魅力を「とことん面白く、一見するとくだらなく見える物語の中で大切なメッセージを伝えていること」だと語る。
1987年に第1巻を刊行、巻数は昨2011年に50巻に到達、累計発行部数は3200万部以上の「かいけつゾロリ」シリーズは、アニメも人気だ。アニメシリーズで主人公ゾロリの声を担当していた山寺が、映画でも同キャラクターを演じる。
つい最近、“ゾロリ人気”を肌で感じる出来事があった、と山寺はいう。「宮城県南三陸町にある中学校の文化祭に呼んで頂いたんですね。中学生に『山ちゃんのやってるキャラクターで知ってるのあるー?』て聞いてみたら、みんなが『はい、ゾロリー!』って最初に答えてね。『他のキャラクターは?』」って聞いたらシーンとしていました(笑)」。
「『他にもいっぱいやってるでしょ!』って色々説明しましたけど、本当にゾロリファンが多いんですよ。中学生は小さい頃にアニメを観ていた子たちも多いと思いますけど、小学校・中学校・高校とどこへ行っても必ず『ゾロリ大好き!』って言われます。なので『これからやるよ、映画になるよ』って宣伝しておきました」
さらに山寺は震災後、避難所にゾロリの原作全巻をプレゼントした事を明かした。「震災直後、僕が昔住んでいた町の避難所にゾロリの原作本をプレゼントして、喜んでもらった事もあります」。
「各地から色んな本が届いたとは思うんですけど、ゾロリ全巻まとめてはないだろう、1巻あったら全巻読みたくなるだろう、と思ったので。ずっと帰れず、大人から子ども、お年寄りも若い女性も含め他人が隣同士で過ごさなきゃいけない大変な状況で、一瞬だけでもゾロリの世界に入って喜んでもらえたら、こんなに嬉しいことはないです」
「避難所の子どもたちだけじゃなく、色んな悩みを抱えている今の子どもたちにはゾロリの世界が本当に必要なんだと思います」。声優本人も「本の中で唯一、全巻持っている作品!」と、愛してやまない「かいけつゾロリ」。劇場版映画も子供達を笑顔にする仕掛けと冒険、そして大切なメッセージが込められている……。
<映画のあらすじ> ゾロリのぼうけんの舞台は、海賊がおたからを隠したというガパール山。ふもとの村では伝染病“しましま病”が流行中。病気を治すためには、山にある「パープルストーン」と「ぴっかりごけ」が必要なことを知ったゾロリは、お宝ゲット&病気を治してみんなのヒーローに、そして村で出会った美少女アリウスのハートもいただいちゃおうと、ガパール山へと出発する!
『映画かいけつゾロリ だ・だ・だ・だいぼうけん!』は12月22日、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか冬休み全国ロードショー。配給は東京テアトル 。
《高木啓》
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