【IT×ファッション】ファッションの競合はソーシャルゲーム……VASILY金山裕樹
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第1回目はソーシャルファッションサイト「iQON」を手掛けるヴァシリー(VASILY)代表取締役の金山裕樹氏。
iQONはブランドやECサイトから提供されたアイテム画像をユーザー自らが編集し、コーディネートスクラップを作り、交流するサイトだ。各コーディネートには他ユーザーから「LIKE」が付けられ、人気コーディネートやユーザーが数字で客観的に表示される。コーディネートコンテストも開催されるなど、ユーザーの参加意欲を高める。
今年2月にはiPhoneアプリがリリースされ、月間訪問ユーザーが100万人を突破。売り上げは前月比150から200%で増え、現在月1万人以上のペースでユーザーが増加している。本サービス創始者の金山氏に、iQONが描く戦略、これからのファッションブランドの在り方について聞いた。
--ファッション系ITサービスが増えました。現在ベンチマークしている企業やサービスはありますか?
ファッション系で競合と考えているものはありません。皆それぞれ独自性がありますから。ただ、iQONを運営する上でのベンチマークすべきウェブサービスはソーシャルゲームだと考えています。ソーシャルゲームはファッションに興味がある層において、ファッションに使わせる可処分所得と時間を取り合う競合コンテンツです。
自分も研究のためにソーシャルゲームに課金して遊んでみました。演出や見せ方、UIなどよく考えられている。このコンテンツが時間とお金を使わせる魅力をよく理解しないと。例えば同じ5000円をゲームに使わせるのではなく、iQON で見つけたTシャツの購入につながるようにしなければいけないと思いますし、同じ5000円でもゲームで使うよりファッションに使ったほうがお客様が満足するような世界を作っていきたいと思っています。
--そのためにどうすればよいのでしょうか?
まずはファッションの情報・コンテンツがもっとスマートフォン、パソコンの画面に現れ、人々の目に触れるようにしなければなりません。ITが世の中にもたらした最も大きな変化は情報の受信。発信コストを大幅に減少させたことです。しかしファッション業界はこの変化を生かしきれていなく、質、量ともに十分な情報がネット上にあるとはいえないと思います。
私自身インターネットが好きで、よくネットサーフィンしていますが、ファッション情報や画像に触れる機会はさほどありません。現代社会の情報源は当然インターネットが多く、その利用時間は増えていますが、インターネット上でのファッションコンテンツは実は凄く少ない。これは前職のヤフーでファッション関連コンテンツを扱っていた時から感じていたことです。この状態を変えたいと思うのも、iQONをやっている一つの理由です。
ファッションに触れる機会が少ないと、自然に身に着ける洋服は適当になり、関心が薄まり購買意欲もなくなってくると思います。日本人は世界でも有数のファッションに気を使う国民だと思います。せっかく国民にポテンシャルがあるのにそれを強みにできないような国は健全ではないと思います。私達は多くのファッションコンテンツを画面に表示させ、多くの人にファッションに親しんでもらいたいと考えています。そうできれば、日本はファッションからパワフルでヴィヴィッドな国になるのではと考えています。
次回は同社のエコシステム戦略にクローズアップする。
【連載:IT×ファッションvol.1(前編)】ファッションの競合はソーシャルゲーム ── アパレルの構造革命を狙うVASILY金山裕樹
《編集部》
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