登山家・栗城史多さん、凍傷で切断危機の両手指の再生へ向けて挑戦 「再びエベレストに」 | RBB TODAY

登山家・栗城史多さん、凍傷で切断危機の両手指の再生へ向けて挑戦 「再びエベレストに」

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 昨年10月にエベレスト登山で深刻な凍傷を負い、両手指を第一関節から切断する危機に面していた登山家の栗城史多さん。約4ヵ月が経過した現在も治癒はしていないが、指を切断することを拒み、再生の可能性を探りながら凍傷の治療を続けているという。

 栗城さんが、自身通算4度目となるエベレスト登頂に挑戦するも、深刻な凍傷を負い、無念の内に下山したのは昨年10月のこと。両手指および両足指と鼻に負った凍傷治療のため即刻入院した栗城さんは自身のブログで、ベッドに横たわる写真を公開するとともに、両手指の数本を第一関節から切断する可能性が高いことを報告していた。

 4日に「奇跡への挑戦」とのタイトルで更新したブログで、現在の治療状況について言及した栗城さん。MRIの結果から、右手親指以外の9本について第二関節から先を全て切断しなければならないと医師から告げられているとのことだが、それでも切断はせずに、様々な医師に会いながら再生治療や自然治癒能力を高めた治療を探っている状況だという。栗城さんのように重度の凍傷を負った指を切断しないままだと感染症を起こしやすく、さらに悪い状況を招くというリスクもあるそうだが、「しかし、心と体が粘っているのか、検査ではまだ感染症は見られないということで、引き続き切らないで高圧酸素治療、炭酸ガスによる手浴、漢方薬などで頑張っております」と、報告している。

 登山家に限らず、両手指の多くを失うことの代償がいかに大きいことかは推して知るべしだが、栗城さんが指切断を拒み続けている理由は、そうした登攀(とうはん)のパフォーマンスが落ちることや、また、日常生活上の影響を考えてのことだけではないという。

 「ヒマラヤでの厳しい登攀や極寒強風の中でも、指は常に頑張って僕を守ってくれました」と栗城さん。「凍傷は低酸素と低温で血液の循環が悪くなった時に、脳と心臓に血液を送るために自ら細胞を閉じていくのです。つまり、僕の指は僕の命を守る為に自らの命を閉じたのです」と、これまでの人生や数々の挑戦において常に苦楽をともにしてきた“家族”に思いを馳せる。

 「だからこそ、次は僕が守る番です。再生させる事を諦めてはいけません。少しでも可能性があれば、諦める必要もありません。一人も欠ける事なく、家族みんなで元気になって、そして再びエベレストに向かえるように奇跡に挑戦します」――。

 若き登山家は今、また新たな山に挑んでいる。

《花》

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