エビから始まった空気除菌消臭機 片野工業の“サクセス”
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
そもそもこの除菌消臭機を開発するきっかけは、エビの養殖だったそうだ。片野明夫社長がエビを探してベトナムへ視察に出かけた。しかし、そこで見た光景は驚くものだった。養殖場は餌の残滓や排泄物、脱皮した殻で海底の土がヘドロ化していた。しかも、養殖場跡はその後、10年も使いものにならないのだ。
そこで、片野社長はエビの住環境をよくするための装置の開発に取り組んだ。そして、3年の試行錯誤の末、ナノバブル発生装置を開発。その後、水のイオン化にも取り組み、それを装置に組み入れた。「実験を進めるうちに、これは水の中以外でも効果があるんじゃないか」と、生ゴミの臭いや犬の糞の臭いがするところに置いてみた。すると、「あっという間に臭いが消えてしまった」そうだ。
そして、病院などあらゆるところで実験を始めた。それに目をつけたのが医療機器メーカーのテルモだ。また、しばらくすると、こんなことがあった。
それで、太陽光パネルをつけて、電気がなくても作動するものを製造した。「大事なのは車に入ったときに嫌な臭いがしないことですからね。電気で動くものだと、エンジンをかけなければいけないので、しばらく臭いがしたまんまでしょう。これなら、ずっと臭いがしませんよ」と説明し、花粉症にもいいそうだ。この5月からトヨタのディーラーなどで販売される予定で、価格は1万8000円~1万9000円なるとみられる。
【テクニカルショー13】トヨタもうならせた中小企業の除菌消臭機
《山田清志@レスポンス》
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