“アルコール0.00%”の「キリンフリー」、3月リニューアル新発売[担当者インタビュー]
エンタメ
その他
注目記事

ノンアルコール市場は、2009年に「キリン フリー」が発売された後、年々拡大を続けているが、一方でノンアルコール・ビールテイスト飲料への期待がさらに高まっており、「キリン フリー」も、味覚に対する評価が課題となっていた。新しくなった「キリン フリー」は、仕込み段階で麦汁の製造工程を一から見直すとともに、ホップの品種を変更し、添加のタイミングを麦汁煮沸前に切り替えることによって、ビールらしい苦味と麦の香りが生きた味覚を実現したという。新しく飲みきりサイズの250ml缶も新登場し、350mlでは飲みきれなかったというニーズにも対応した。
そこで今回、商品開発を担ったキリンの担当者に話を伺った。
商品担当の増田秀史氏によると、従来は「なんとなく、酸っぱい気がする」「後味がどうも気になる」「飲みごたえが足りない」などの意見が多かったとのこと。そこで、香料の見直しを図り、さらにのどごしが良く爽快感のある味わいに仕上げたという。ビールらしい苦味と麦の香りが生きた味覚がポイントで、「発売以来ずっとキリンフリーを飲んでいただいている方はもちろんですが、昔は飲んでいたけど、今は飲んでいないという方、そもそも一度もキリンフリーを飲んだことがない方に飲んで欲しいです」とのことで、作り方からリニューアルした点を、さまざまな層に体感してほしいとした。
ちなみに、清涼飲料とも違う独自の存在である、ノンアルコールドリンクの飲み方として、レモンを絞ったり、ライムを添えたり、暑いときにはオンザロックで飲んでみたりするのも非常に美味しいと、アレンジ方法をアドバイスしてくれた。
また、新商品開発担当の妻鳥奈津子氏は、キリンフリーの味覚開発者として、消費者の「ほんとうの声」にちゃんと応えたいと考えたのがキッカケで、今回のリニューアルに至ったことを明かしてくれた。そのためにこだわったのは、「甘味、酸味、苦味のバランス」とのこと。「目指してきたキリンのノンアルコールになったと言えると思います」と自信のほどを伺わせた。
開発で苦労した点としては、「ビールの風味の中には麦芽を酵母で発酵させることにより出来上がっているものが多いですが、発酵させるとアルコールが生じてしまうので、Alc.0.00%のキリンフリーでは、発酵工程を経ずに味を設計しています。だから、新しいキリンフリーの開発ではビール本来の持つボディ感や麦の香り、飲みごたえのある爽快な飲み口を生み出すのに本当に苦労いたしました」と裏事情も教えてくれた。それだけに、最後の一口まで美味しいノンアルコールに仕上がったという。
増田さんは「ノンアルコールをもっと多くのお客様に楽しんでいただきたいと思っています。新製品は作り方から変えました。よりビールらしいおいしさに進化した、まったく新しいキリンフリーをぜひ、お試しください」と語る。
“ノンアルコールは、第2世代へ。”をスローガンに、作り方から変えた新しくなったキリンフリー。ビールらしい苦味と麦の香りが生きた味覚を実現しているということなので、発売が待ち望まれる。
《冨岡晶》
特集
この記事の写真
/