【インタビュー】リアルタイム世論分析を経営に生かす……NTTコムのソーシャルリスニングセンター
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NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューション社 ソーシャルCRM本部 担当部長 塩崎裕亮氏によれば、SLCの機能は大きく3つあるという。第1にリスニング/モニタリング機能。第2にコミュニケーション機能。第3はソーシャル関連の知見やナレッジの蓄積だ。
リスニングは、VoCと呼ばれる市場の声、とくにソーシャル上での声を集め分析する機能である。モニタリングも技術的にはリスニングと同じだが、ソーシャル上の声をリスクマネジメントに活用する場合、このような呼び方をして区別しているという。リスニング/モニタリングを支えるテクノロジはBuzzFinder。なお、BuzzFinderは、Twitter、ブログ、goo検索についてその情報を15分ごとに分析している。TwitterについてはTwitter社と契約を結び全量を解析し、ブログについてもほぼ全量といっていい情報をみておりリアルタイム性が高いのも特徴だ。
コミュニケーション機能は、広報的な情報発信およびアクティブ/パッシブサポートを実現するもので、SocialEngageがTwitterを利用した情報発信機能とオンラインサポートシステムを実現する。公式ページによるサポートだけでなく、BuzzFinderのアウトプットを利用すれば、障害の検知と早期発見、さらには炎上対策のようなリスクマネジメントへの応用も可能だ。
最後の知見の蓄積や活用については、SLCという有人のセンターと専門のデータアナリストによって、サポート用のチケットシステムのナレッジベース以上のインテリジェントな要求にも応えることができる。ソーシャルリスニングシステムやサポートシステムの構築・運営から、業務に特化した分析依頼なども可能としている。
SLCの主なインプットはBuzzFinderからのリアルタイム情報だが、アウトプットは日報、週報、月報の定期レポートがある。これに、リスクマネジメントのためのアラート情報およびリスク事象レポートのようなスポット情報も得ることができる。スポット情報には、さらにリリースやキャンペーンなどの反応を把握するための反響レポートもある。SocialEngageによるアクティブサポートの運用代行やユーザー企業との定例ミーティングによる情報共有、事業戦略情報の提供を受けることも可能。また、レポート類のカスタマイズやBuzzFinder/SocialEngageのキーワード設定のようなチューニングについても、SLC専任のアナリストによるアドバイスやコンサルティングサービスを受けることもできるそうだ。
SLCによるメリットは、アナリストによる分析結果などの付加価値の高い情報が整理された状態で提供されることで、利用者は余計な解析作業や解釈作業に煩わされることなく、結果の利用が可能になることだが、それだけではない。
「SLCによるメリットは、単なるトレンドキーワードのリストや機械的な分類ではなく、企業の業務ごとに適切な情報をディスパッチできることです。というのは、ソーシャルリスニングは、経営層や広報部門であれば企業ブランドに対する声や風評対策などリスクマネジメント、リリース等の効果測定に活用できます。営業部門であれば、顧客体験およびエンゲージメントの向上、商品やサービスに対する(アンケートなどでは出てこない)本音の情報を得ることができます。開発部門であれば、サービスや商品の利用実態、顧客の反応、競合他社との比較などを把握し、開発や改善に役立てることができます。カスタマーサポートならば、外部要因による障害や対応の予測にも利用できます」。
塩崎氏が述べるように、ソーシャルリスニングはもはや営業部門や企画部門がトレンド分析に利用するだけのものではなく、ビッグデータを科学的に分析し経営の意思決定を左右するものと言っても過言ではない。逆にいえば、ソーシャルデータを経営に活用するには、SLCのようなデータの収集と解析、利用までワンストップで管理できる機能が必要ということだ。塩崎氏は、この市場ニーズがSLCを作った理由でもあるという。
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