地下鉄移動に強いキャリアは?……東京メトロ副都心線で3キャリアの通信速度をチェック!
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また、東京メトロでは3月21日より、ついに全線でネット接続が可能となった。この実測テストもかねて、今回は副都心線の全16駅で速度テストを実施した。
なお、今回のテストで使用した端末は、3キャリアそれぞれのLTE対応Android端末(NTTドコモ「GALAXY S III α SC-03E」/KDDI(au)「Xperia VL SOL21」/ソフトバンクモバイル「MOTOROLA RAZR M 201M」)および、KDDI(au)、ソフトバンクモバイルの「iPhone 5」。このテストは平日の日中に、10両列車の3号車付近で行っている。
■駅のホームで最速の回線は?
今回のテストでは渋谷駅~雑司ヶ谷間駅間と、雑司ヶ谷駅~和光市駅間で計測結果に大きな違いが出た。まずKDDI(au)は「Xperia VL」「iPhone 5」ともにほぼ全駅でLTEに対応していた。それに対して、ソフトバンクモバイルの「iPhone 5」は雑司ヶ谷駅と和光市の間でしか4G LTEに接続できず、「MOTOROLA RAZR M」に関しては4Gに接続できたのは地上駅の和光市駅のみで、それ以外では3Gのみの対応となっている。NTTドコモ「GALAXY S III α」についてもほぼ同じ状況で、移動中にLTEで接続できる区間があったものの、駅のホームでは和光市駅以外でLTEは利用できなかった。
このため、KDDI(au)の端末はAndroidが8駅、iPhoneが4駅と、半分以上の駅で下り平均最速値を記録している。通信速度は20Mbps以上で安定しているが、池袋駅ではおそらく回線の混雑が原因となって通信速度が低下。そのほか、全キャリアで通信状態が悪い氷川台駅や地下鉄赤塚駅でも、通信速度が20Mbpsを下回った。
一方ソフトバンクモバイルは、4G LTEで接続が可能だった要町駅、平和台駅、地下鉄成増駅の3駅で下り最速値を記録。特に、平和台駅については33.34Mbpsと、今回のテストでは唯一下り平均で30Mbpsを超える通信速度を記録した。ただ、駅によっては繰り返し計測していると、ときに10Mbpsを下回るなど、やや回線に不安定な様子が見られた。
また、ソフトバンク「MOTOROLA RAZR M」については、3G回線時でも10Mbps以上での通信が可能な駅があった。他キャリアのLTEを超える速度が出ることもあり、4Gにつながらなくても、ある程度は快適にネットを利用することができる印象。
最後にNTTドコモ「GALAXY S III α」は、地下では3G接続のため、平均速度は3Mbps前後。その一方で、地上駅である和光市駅では全キャリアを上回る下り平均24.65Mbpsを計測している。
■電車が移動中の通信状態は?
先ほど、東京メトロの全線でネットが開通と説明したが、実はこれには例外がある。というのも、小竹向原駅~千川区駅間については、例外として今年中での開通を予定しているのだ。このため、通信中にこの区間を通過すると、ネット接続が切断される。このようなデットスポットは、新宿三丁目駅~東新宿駅間や、地下鉄成増駅~和光市間でも確認できた。長く時間がかかるような通信を行うときは、途中でエラーが出てしまう恐れがあるので注意したい。
また、電車での移動中にも参考値として計測を行ったが、KDDI(au)の「iPhone 5」とNTTドコモ「GALAXY S III α」については、むしろ駅停止時に比べて通信速度が平均して速くなっている。特に、「GALAXY S III α」については、ほぼすべての区間でLTEでの接続が可能。通信速度も平均10Mbps以上を記録した。
これらの結果を踏まえると、全線でまんべんなく高速なのがKDDI(au)で、エリアによっては瞬間的に高速なのがソフトバンクモバイルの「iPhone 5」。それに続くのがソフトバンクモバイルの「MOTOROLA RAZR M」だが、移動中はそれをNTTドコモのLTEが抜き去るというのが、今の副都心線の回線事情のようだ。どの端末でも場所を選べば10Mbps以上での通信が可能なので、電車移動中に大容量ファイルのやり取りができるのは、ノマド族なビジネスマンなどには嬉しい環境といえるだろう。
《丸田》
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