「A Boy and His Atom」は、何千もの正確に配置された原子を用い、約250フレームのこま撮り撮影によって作られた映画だ。登場人物の“Atom”は、1個の原子と仲良くなり、踊りを踊ったり、キャッチボールをしたり、トランポリンの上で跳ねたりするなど、楽しげな旅をする内容となっている。
原子を動かすためには、IBMが発明した「STM(scanning tunneling microscope。走査型トンネル顕微鏡)」が用いられている。STMは、個々の原子レベルの観測を初めて可能にしたツールで、ノーベル物理学賞を受賞している。重さが2トン、摂氏マイナス268度で動作し、原子の表面を1億倍超に拡大して観察できる。
IBMの研究員は標準的なコンピュータで遠隔的にSTMを操作し、銅表面上に非常に鋭利な針を使って原子を“感知”。銅表面からわずか1ナノメートル(1メートルの10億分の1)の距離から針を操作し、表面上の原子や分子を物理的に引き付け、特定の位置に正確に配置し静止画を作成した。
A Boy And His Atom: The World's Smallest Movie - YouTube
http://www.youtube.com/watch?v=oSCX78-8-q0