【Interop 2013 Vol.68】富士通、SDNへの取り組みとTRILLによる高速迂回デモを実施
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
展示ブースで紹介されていたのは、このうち「Computing」(データセンタ)の領域にあたるもの。データセンタ内では既にサーバの仮想化は進んでいる。しかし、ネットワークについてはまだ仮想化が進んでいないのが実情だ。そのため、ある企業用のネットワークを組みたいときは、たとえばハードウェア的にスイッチやファイアウォール、ロードバランサなどを個別に用意したり、VLANでネットワークを切り分けて1つの装置を利用していた。しかし、その場合には元になる設定が、新しく作成した企業用ネットワークに影響したり、逆に新しく作成した企業用ネットワークの設定が、元のネットワークに影響を及ぼすこともあった。このように従来までは、データセンタ内でネットワークのスライス(分割)が十分にできていない状態だった。
そこで富士通では、SDNを利用することでネットワークの仮想化を行い、たとえば各ハードの中に仮想化したスイッチやファイアウォールなどをつくって、A社用/B社用というように完全分離して動作させられるようにしたという。ソフトウェアで他の企業用サーバを追加する際に、ネットワーク系も同様に追加命令を出せば、簡単にネットワークが組めるようになる。この仮想化技術を用いて、ネットワークを一括制御するのが、富士通のデータセンタ内のSDNへの取り組みの1つだ。
同社のブースでは、運用起点型L2スイッチ「CNVシリーズ」を用いて、具体的なデモが行なわれていた。このスイッチは、データセンタ&ストレージ部門で特別賞を受賞。受賞理由は、現場の視点に立って徹底的にモノづくりをしたこと。まずカラーリングのラインナップを充実。外観が目立ちやすい色で、目的・用途ごとに使い分けられるという特徴がある。また背面もフラットではなく、中央部が膨らんだ流線形状のため、配線時にケーブルが自然に横に流れるように配慮されている。
管理面では、同社が開発したネットワークマネージャによって、イーサネットで経路を冗長化する「TRILL」(TRansparent Interconnection of Lots of Links)技術で組んだネットワークの徹底的な見える化を行っていた。運用コストも下げられるそうだ。実際のSDNのデモでは、帯域や品質クラスなどのポリシーをベースとした自動経路制御を実現。ネットワークを経由して映像を配信し、何か障害が起きたときには(デモではケーブルを抜いていた)、業界に先駆けて対応したTRILL技術で別経路へ高速に迂回することで、配信に支障をきたさず、映像の乱れが全くないことを実証していた。
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《井上猛雄》
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