“婚活”に続くのは“妊活”トレンド……理想の妊娠のポイントは? | RBB TODAY

“婚活”に続くのは“妊活”トレンド……理想の妊娠のポイントは?

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妊娠に対して感じる不安は?
妊娠に対して感じる不安は? 全 4 枚
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 日本では、晩婚化や少子化が社会問題として語られ、広く議論されている。こうした中で女性の意識はどのように変化しているのか。仕事も家庭も、そして、妊娠も、自分らしい選択をし、イキイキと前向きに生きる。そんな女性の生き方が、いわゆる“妊活”として注目されているそうだ。生活者の意識・実態を調べるトレンド総研では今回、この“妊活”に注目、その実態について調査し、レポートを公開した。

 まず最初に、妊娠や“妊活”に対する女性の意識を探るべく、子どもが欲しいと思う25歳~44歳の既婚、あるいは、結婚を予定している女性500名を対象に、「妊娠に対する不安と“妊活”に関する意識・実態調査」を行った。同調査では、妊娠に対する女性の意識や将来の妊娠に対する準備の実態について調べた上で、“妊活”に対する認知や考え方について質問している。調査期間は2013年6月4日~6月6日。

■妊娠への不安は感じるも、事前準備している人はごく一部

 はじめに、「妊娠に対する不安な気持ちがありますか?」と聞くと、「ある」と回答した人は94%にのぼった。具体的に、どのようなことに不安を抱いているのか調べると、「仕事との両立に関する不安」が最多で、74%。次点には「経済面に関する不安」(63%)が続き、外的な生活環境に関する不安が上位を占めている。僅差で続くのは、「自身の年齢に関する不安」(53%)、「赤ちゃんの健康に関する不安」(53%)、「出産後の育児に関する不安」(50%)といった自身や子どもに関する項目だった。

 こうした不安に対して、どのような対策をとっているのか。「妊娠に対する不安に対して、ご自身で取り組まれていることはありますか?」と聞いたところ、「ある」と答えた人は20%にとどまった。8割程度の人は妊娠に対する不安を感じつつも、実際には何も対策を行えていないことが明らかになった。その理由を自由回答で聞いたところ、多くあげられたのは「しばらく妊娠の予定がなく、準備をする気持ちにならないから。(東京都・28歳)」、「仕事が忙しく、ゆっくり考える時間がないから。(埼玉県・43歳)」といった意見。今回の調査対象は、現在、あるいは、将来的には子どもが欲しいと思っている人たちだが、それでも、妊娠に対する準備ができているという人はごく一部に限られるようだ。

 さらに、子どもが欲しいと思うという女性の内、「今は欲しいと思わないが、将来的には欲しい」という人の割合を年代別に比較した。すると、20代後半、30代前半、30代後半、40代前半で、それぞれ44%、34%、31%、14%という結果に。30代後半の女性でさえ、3人に1人は今すぐにではなく、先延ばしにして考えているという実態が明らかになっている。

■注目を集める“妊活”トレンド

 トレンド総研によると、こうした中、注目を集めているのが、“妊活”トレンドだという。これは、不安も多い妊娠に対して、ポジティブに自分らしい選択をとることを指す。その認知度を今回の調査対象に聞くと、「“妊活”という言葉を見たり、聞いたりしたことがある」という人は、63%に。「今後、“妊活”の重要性は高まると思いますか?」とたずねると、「思う」という人は、77%。これは婚活について行なった同様の質問に対する72%を上回る結果とのこと。

 そこで、「今後、“妊活”を実践したいと思いますか?」と聞くと、「思う」と答えた人は49%でおよそ半数にのぼった。一方、“妊活”を実践するためには、妊娠に対する正しい理解が不可欠であるとトレンド総研は言う。しかし、「“妊活”を行うにあたり、妊娠に対する十分な情報があると思いますか?」と聞くと、「あると思う」と回答した人は33%のみ。子どもが欲しいと思っている人でも、3分の2は妊娠に対する情報の不足を感じている結果となっている。また、妊娠に備えて何かしらの取り組みを行っているという人は、わずか30%だった。なお、こうした取り組みの一例としては、「基礎体温を測る。(静岡県・32歳)」、「葉酸のサプリメントを上手に利用している(東京都・28歳)」、「適度な運動、バランスの良い食事を意識する。(千葉県・38歳)」といった意見が多くあげられた。

 同調査では、“妊活”への注目の高まりと、そのために必要な情報の少なさが明らかになった。そこでトレンド総研では、産婦人科医の宋 美玄氏に、“妊活”のために必要な取り組みについて話を聞いている。

■ “妊活”トレンドは当然の流れ

 宋氏はまず、「現在の日本では、社会的な流れや経済的な理由により、高齢出産以外の選択肢がない人も少なくないというのが現状」と分析。35歳以上で初めての出産を迎える高齢出産の割合は、日本全体の25%程度にものぼるという。しかし、「通常37、38歳頃を境に、妊娠率は急激に下がる」ため、妊娠に対する最大のハードルは「子どもができるか、どうかと言えるかもしれない」「そうした中で、“妊活”といった考え方が広がるのは当然のことと言える」と、“妊活”トレンドが起こるのは当然とした。

 今回の調査では、いくつかの“妊活”に向けた取り組みが実例としてあげられたが、宋氏は特に重要なポイントとして、葉酸をあげた。「葉酸はビタミンB群の仲間になるが、細胞が分裂する時に、非常に重要な役割を果たす」「妊娠は、受精卵から赤ちゃんが育つこと。すなわち、人生の中で、最も活発に細胞分裂をしている時期。このタイミングで、葉酸が不足してしまうと、生まれてくる子どもの口唇口蓋裂、二分脊椎などのリスクが上がると言われている」とその重要性についてコメント。さらに、「葉酸は、ブロッコリーや肉などに含まれるが、食材を茹でたり、洗ったりすると、水で流れてしまう。これらの食品だけでは、1日に必要な分を摂るだけでも、意外に大変なもの」と葉酸の摂取が難しいことにも言及した。

 もう一点、気を付けるべきこととして、「葉酸を摂り始めるタイミング」があげられるという。「受精卵の段階といったら、着床後2週目程度。その頃から、お母さんの体の中では、毎日活発に細胞分裂が行なわれている。通常、妊娠に気付くのは、妊娠5週目頃。つまり、妊娠に気付いてから、葉酸の摂取を始めるのでは遅い。妊娠する前から、葉酸を摂り始めなければならない」と早期摂取の重要性を説いた。葉酸については、2000年に厚生労働省から妊娠の可能性がある女性に対して、葉酸摂取を推奨する通知が出されている。しかし、まだまだその意識は十分ではないと宋氏はみている。また、細胞分裂を助ける葉酸には、肌のターンオーバーを助ける効果があるとも言われているそうだ。

■重要なのは、ちょっとした体の変化を見逃さないこと

 宋氏は、「女性が自分の体のことをよく知っておくことが重要。例えば、生理不順を放っておかないなど、ちょっとした体の不調を見逃さないといったこと。辛い生理痛を我慢し続けた結果、子宮内膜症になっていたという話もある」と述べ、「そうならないように、検診を欠かさないとか、何か気になることがあれば、すぐに医者に相談するとか、こういったことが重要になる」と、女性が自分の体の変化に敏感であることも、妊娠前に重要なことだとしている。

《白石 雄太》

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