ウィッグで心理的QOLが向上……人は見かけによらないというけれど
エンタメ
調査
注目記事

大阪大学大学院医学系研究科皮膚・毛髪再生医学寄附講座の板見智教授、乾重樹准教授、国立障害者リハビリテーションセンター福祉機器開発部の井上剛伸部長が、第112回日本皮膚科学会総会(6月14~16日)において、AGAの心理的QOLへのウィッグ(かつら)の効果に関する調査結果を発表した。調査にはアデランスが、男性調査対象者の募集を通じて協力した。
著差では、ウィッグ(かつら)を装着することで、心理的QOL(やる気、積極性・自信、プライドおよび全般)が改善することがわかった。ウィッグの装着による見た目への満足感と「やる気」「積極性・自信」「プライド」の高さには相関関係がある。ルックスに対する満足度が高い人ほど、改善度は高まるため、心理的QOL改善にはウィッグの整容的要素(見た目の自然さなど)が影響することがわかる。
また、薄毛の進行度合い(AGA重症度)が進むほど、ウィッグを装着することで、心理的QOLが改善することもわかった。
板見教授は「古来より頭髪は個人の尊厳、人格を表すとの考えが強く、脱毛症患者の喪失感、心理的QOLの低下は著しい。以前よりウィッグ(かつら)はこのような方々の心理的QOLを改善すると考えられてきたが、客観的な医学データがなかった。今回の調査により、医学的根拠を持ってウィッグの使用を推奨できると考えられる」とコメント。
乾重樹准教授は「今回の調査では、利用者全員(今回の調査対象)の心理的QOLが向上し、見た目が与える内面的な影響を初めて明らかにした。本来、毛髪は頭皮を守る役割があり、紫外線防止など物理的な障害から守るものであるため、ウィッグ(かつら)は物理的、内面的に強くなることができるアイテムと言える」とコメント。
調査概要
●目的:ウィッグ(かつら)の心理的QOLへの影響
●対象:AGA男性患者26名
年齢:40歳から59歳
中央値:49.5歳
●期間:2012年1~7月
●調査方法:PIADS(福祉用具心理評価スケール)を使用した聞き取り統計調査
質問項目:26項目
やる気(12項目)、積極性・自信(6項目)、プライド(8項目)
《高木啓》
特集
この記事の写真
/