【ウェブユーザビリティ洞察】自動送りカルーセルとアコーディオンは、ユーザーをいらつかせ、可視性を下げる……ニールセン博士のAlertbox | RBB TODAY

【ウェブユーザビリティ洞察】自動送りカルーセルとアコーディオンは、ユーザーをいらつかせ、可視性を下げる……ニールセン博士のAlertbox

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Jacob Nielsen博士
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 先日、イギリスでユーザビリティ調査を実施したのだが、そこで、あるユーザーが「Siemensは洗濯機のキャンペーンをしているか」というタスクを行おうとしていた。

 そのユーザーはさして苦労もせず、イギリスのSiemens Appliancesのこのホームページにはたどり着いた。

 どうだろう、そのユーザーは先ほどの課題に答えを出すことができただろうか。ホームページ上での最も大きなアイテムが、画面スペースという意味でもフォントサイズという意味でも、洗濯機の大きな写真の隣にある「指定のSiemens製品」の100ポンドの割引であることから、答えを見つけられたのではないか、とあなたは思うだろう。おまけに、その同じ割引が右端の小さなプロモーション用タイルにも出ているのだから。

 にもかかわらず、そのユーザーはタスクを達成できなかった。長々とこのウェブサイトに滞在して、たくさんの時間を使って食い入るようにこのホームページを見つめたりもした後、そのユーザーは降参し、Siemensは彼女に何のキャンペーンも提供していないと考えたのである。(彼女の締めのコメントは何かって? それは「(Siemensの家電を)私は選ばないでしょう。私がとてもお金持ちなら別でしょうけど」というものだった)。

小さな販促用ボックス: 無視される

 右側にある小さなプロモーションについて考えないようにするのは容易だ。このデザイン要素をほとんどのユーザーが無視するであろうことを知るためにテストする必要すらないと考えているのは3つの理由からである:

・最も重要な理由は、バナーとは目に入らないものだからである。このプロモーションは広告そっくりだが、広告とはユーザーに無視される運命にある。

右カラムに配置することで、そのアイテムを見ることになるユーザーを大幅に減らしてしまっている。ウェブページの、左側にほとんどのユーザーの意識は集中するからである。

・最後に、表現の仕方もユーザーを遠ざけている。(思いがけず)ユーザーが実際にそのボックスを見たとしても、それをクリックする人はほとんどいないだろう。そう、「£100(:100ポンド)」という大きな目を引く文字がそこにはあるが、メインのコピーが「Rewarding.Life.Style(:実りのある、生活、スタイル)」だからである。これはSiemensのマーケティング部門以外の人間の少なくとも99%にとっては中身のないコンテンツである。(確かに、広告のコピーには意味があるべきである、というガイドラインについてのコラムを書いたことはない。しかし、そんなことはわかりきっていることだろう。悩むことの多いこのライティングジャンルの分析には、タグラインについての私の考察を参照)。


※この記事は、「U-Site」が掲載しているコラム「ニールセン博士のAlertbox」から全文転載したものです。最新コラムや詳細情報は「U-Site」で閲覧できます。
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