10時枠で高視聴率を記録したドラマといえば2011年秋クールの日本テレビ「家政婦のミタ」の驚異的な数字が記憶に新しいが、同時期のほかの10時枠ドラマは数字的には振るっていない。以降、2012年夏クールで平均13%台だった「GTO」(フジテレビ)など単発的なヒットはあったが、10時枠のドラマが複数同時に視聴率12~3%を超えて上位にランクインすることはなく、高視聴率ドラマはやはり午後9時枠に集中していた。
平均15%台を記録した「ラスト・シンデレラ」は、「家政婦のミタ」には遠く及ばないものの、以降の10時枠ドラマでは最高だ。特に最終回では「ガリレオ」に迫る18%近い高視聴率をマーク。さらに「ラスト・シンデレラ」以外でも同クールでは「家族ゲーム」も平均13%の高視聴率。ほかにも2作品が10%台をキープするなど10時枠ドラマが存在感を示した。
これまでの10時枠ドラマの低迷があるだけに、春クールでの好調が否応なしに目に付く。特に注目されるのがフジテレビの木曜10時枠だ。水曜10時枠では「家族ゲーム」が「雲の階段」(日本テレビ)と分けあってしまった感が否めなくもないが、木曜10時枠のドラマは現在フジテレビの独壇場だ。「ラスト・シンデレラ」の好調は、篠原涼子の起用や“エッチ”を前面に推した作品内容ばかりでなく、対抗馬の不在にも一因があると見て間違いはないだろう。日本テレビ「ダウンタウンDX」など強いバラエティなどが周囲を固めているが、「Oh, My Dad!!」は織田裕二が26年のキャリアで初となる“ダメな父親役”を演じるということで注目度はバツグン。木曜10時にドラマを観たい視聴者層をうまく取り込むことが出来れば、「ラスト・シンデレラ」に続いてあるいは2匹目のドジョウとなるかもしれない。
「Oh, My Dad!!」は、ある日突然シングルファザーになってしまった男が子どものために奮闘する姿を描くハートフルなヒューマンコメディー。7月11日スタート。毎週木曜午後10時~10時54分放送。
※[お詫びと訂正:2013-07-13]初出時の記述において一部誤りがございました。ここに訂正するとともに、お詫び申し上げます。