死刑囚の告発をもとに、ジャーナリストが闇に葬られようとした殺人事件を暴き出し、犯人逮捕へと導いた顛末を綴った「凶悪 ーある死刑囚の告発ー」(新潮45編集部編)を、世界映画祭での評価も高かった故・若松孝二の愛弟子・白石和彌監督が映画化。人間が内に秘める心の闇へ切り込んだクライム・サスペンスとして、早くから注目を集めている。事件の真相を暴きだそうとする主人公のジャーナリスト、藤井を演じるのは山田孝之。獄中から未解決事件を告発する死刑囚・須藤役をピエール瀧、告発された殺人事件の首謀者・木村をリリー・フランキーが演じ、個性派キャスト3人のせめぎ合いも見どころだ。
モントリオール世界映画祭はカナダ最古の国際映画祭の1つで、毎年8月にケベック州のモントリオールで開催される。同じくカナダで開催されるトロント国際映画祭とは一線を画し、商業作品ではなく文化や伝統に注目した作品が多く上映されるのが特徴だ。出品決定を受けて、白石監督は「日本で実在した事件を元としたこの映画が、海外でどうリアリティを持って見てくれるのか、とても興味があります。スクリーンの中で役者の皆さんがより一層躍動してくれることを期待しています」とコメントを寄せている。
『凶悪』は9月21日より新宿ピカデリーほか全国にて公開される。