【ウェブユーザビリティ洞察】ユーザー調査の証拠の説得力……ニールセン博士のAlertbox
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単一の調査の中で厳格に用いられる大きなNよりは、さまざまな状況を対象にしている調査を信頼するほうが良い。もし、結果が幅広い基盤から導き出されるなら、それを一般化して、その調査の要因(study stimuli)となった事柄だけでなく、あなた方独自の状況に適用できる可能性も上がるからである。
ユーザビリティ調査はさまざまな方法で多様化されるべきである:
・ユーザー: 消費者、ビジネスプロフェッショナル、経営者、コンピュータの専門家、医師、子ども、ティーンエイジャー、、大学生、高齢者等、多くのグループを対象にテストを行おう。
・スキル: 熟練したユーザー、知能指数の高いエリート、コンピュータについてはほとんど何も知らない人、識字能力の低いユーザー等を対象にテストを行おう。また、障害を持つユーザーも対象に入れよう。
・タスク: 買い物や健康管理についての情報収集、ニュースのチェック、投資等、人々がオンラインで行うタスクのリストは枚挙にいとまがない。例えば、人々がどうやって検索しているのかを知りたいのなら、1つの事柄をどのように検索するのかを単に聞くことはやめよう。
・テスト対象の企業あるいはサイト: 大規模なサイトか小規模なサイトか。有名ブランドのサイトか、無名企業のサイトか。
・技術的なプラットフォーム: テキストのみのUIか、GUIか。モバイルなのか、タブレットなのか。3Dか。
・長期的な調査: 10~20年前の調査と現在の調査の結果を比較しよう。もし結果が同じなら、将来に対しても当てはまるだろう。
・国際性: 複数の国でテストしよう。
・方法論: ユーザーテストやアイトラッキング、ダイアリー調査、フィールド調査等のさまざまな異なった方法のユーザー調査のやり方を通して、調査結果を三角測量しよう。
最後になるが、社内での利用向けに、プロジェクトのライフサイクルの全段階での調査も実施すべきある。すなわち、すべてのデザインを完成させる前に、初期段階ではプロトタイプを利用して、途中では反復による改良を行い、また、製品の発売後にも調査を行うべきである。
さまざまな種類の調査を実施すれば、大勢のユーザーをテストしていくという目標を最終的には達成することになる。例えば、Nielsen Norman Groupはこれまでに2,048人のユーザーを1対1のユーザビリティセッションでテストしてきている。しかし、さらに重要なのは、我々がこうした人々を対象にしてテストを行ったのが、北アメリカ、ヨーロッパ、アジア、オーストラリア、中東にわたる14か国の1,524のウェブサイトとイントラネットであることだ。こうした幅広い多様性が前提となり、我々の発見はテストの状況を超えた範囲にまであてはまる可能性が非常に高いのである。
自分のところで行う調査に資金を配分するときには、たくさんの小さな調査にまで予算がいきわたるようにしよう。外部で行われた調査を解釈するときには、自分たちの状況にまでは一般化できない、大勢のユーザーに1つのことをさせているソースよりも、さまざまな調査を実施しているソースのほうに信頼を置こう。
【さらに詳しく】
・How to Conduct a Heuristic Evaluation
・ユーザー満足度 vs. パフォーマンス指標
・移動ユーザビリティラボ
・最も重要なユーザビリティ活動
・A/Bテスト、ユーザビリティエンジニアリング、抜本的革新: どれが最も有益か
※この記事は、「U-Site」が掲載しているコラム「ニールセン博士のAlertbox」から全文転載したものです。株式会社イードが運営する「U-Site」では、博士からの正式な許可を得て同コラムの全編を日本語訳し公開しています。
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