ソニー、個人情報に配慮してデータをクラウドに蓄積できる新システムを開発
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
従来のクラウドを利用したサービスでは、利用者の個人情報とデータの両方がペアで同じクラウド上のサーバに保存されるという問題点があった。今回ソニーが新たに開発したシステムは、個人情報とデータを分離し、データのみをクラウドに保存する。個人情報はクラウドには送信されず、利用者が所持するカード内に記録され、これらの情報を結びつけるための共通IDを割り当てる。この仕組みにより、万一クラウド上のサーバへの不正アクセスがあった場合にも、個人情報とは結びつかず、セキュリティレベルがより高い構造を実現した。
「電子お薬手帳」サービスでは、氏名や生年月日等の個人情報を含まない形で、調剤情報、副作用等の薬歴データをクラウドに蓄積できる。利用者は、FeliCaチップが埋め込まれたカードを薬局の端末にかざすだけの簡単な操作で、調剤履歴の閲覧と調剤情報の記録を行うことができる。さらにスマートフォン用アプリケーションをインストールすれば、モバイル端末からも情報閲覧できる他、診察を受けた際の症状や、服薬後の副作用、アレルギーなどの記録も可能。
これら統計データを自治体に提供し、たとえばインフルエンザなどの感染症流行情報の発信を支援したり、また、統計データを製薬会社に提供し、たとえば服薬で生じる可能性のある有害事象の早期発見を支援するといった仕組みが期待できる。ソニーでは、今回新たに開発した、個人情報に配慮してクラウドに情報を蓄積するシステムを元にして、電子お薬手帳以外のさまざまなサービスを展開していくことも今後検討する。
《冨岡晶》
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