新型iPhoneのLTE接続エリア、東北新幹線ではどこが優秀? 東京・仙台間でチェック
ブロードバンド
回線・サービス
注目記事

そんな中、判断材料のひとつとして把握しておきたいのが、高速回線 LTEへのつながりやすさ。前回、東海道新幹線“のぞみ”に乗車して、東京から新大阪の間についてLTEへのつながりやすさを調査した。今回は東北新幹線“やまびこ”に乗車。東京から仙台間において調査を行った。使用したのは各キャリアのiPhone 5c。画面上の接続回線表示を目視で確認し、LTE(4G)から3Gに切り替わった回数および、3Gにつながった状態の継続時間を記録した。
まず、東京を出発してから大宮に停車するまでの区間では、3キャリアに大きな差はなく互角の争いとなった。3Gへ切り替わった回数はドコモが4回、KDDI(au)が2回、ソフトバンクが2回。3G接続だった時間はドコモが4分56秒、auが4分18秒、ソフトバンクが4分13秒で、ほぼ横並び。また時間にして数十秒ではあるが、上野から大宮間ではauが唯一圏外表示となった。
しかし大宮を出てからは状況が一変し、各キャリアの明暗がはっきりと分かれるかたちに。3キャリア中で飛びぬけて安定していたのがau。大宮以降は仙台駅に停車するまで一度も3Gに切り替わることがなく、常にLTE接続を維持。アンテナ本数もおおむね4本以上をキープしており、抜群の安定感をみせた。トンネルが連続する区間でも回線が乱れなかったことが他のキャリアと差が出た部分と言える。
ドコモとソフトバンクに関しては、宇都宮以降のトンネルが多い区間にかなり苦労した。ドコモは宇都宮から郡山間で14回も3G回線に切り替わったことが響き、全区間での合計は34回にのぼった。また、3Gにつながっていた時間は合計で13分4秒という結果に。ドコモは、LTEでアンテナが5本立っている状態から、突如3Gに切り替わるといった事象が多く発生しており、まだまだ基地局間の電波の受け渡しなどチューニングに課題があるように感じた。
続いてソフトバンクだが、宇都宮から郡山間では7回の切り替わりと1回の圏外を記録。全区間での切り替わり回数は16回とドコモよりは少なかったものの、auとは差がついた。さらに、3Gにつながっていた時間は26分48秒と3キャリアの中でも圧倒的に長く、苦しい結果となった。
回線が安定していると、SNSへのデータアップロードでミスが起きにくかったり、YouTubeなどの動画再生でストレスが少なかったりと、ユーザーの享受するメリットは大きい。バッテリーの持ちにも影響があるだろう。今後の各キャリアの通信環境整備に引き続き注目していきたい。また、今回は時間の都合で仙台までの調査となったが、その先の新青森までの区間やその他の新幹線区間などについても調査できればと思う。
《白石 雄太》
特集
この記事の写真
/