【CEATEC 2013 Vol.43】オートモーティブ+エレクトロニクスで変わるCEATEC
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
しかし、今年のCEATECは、新しい取り組みや展示内容の変化を感じさせるものとなっている。ひとつは、10月、11月に開催が控えている「ITS世界会議 東京 2013」と「第43回東京モーターショー 2013」と連携したイベントとして開催されたことだ。もうひとつは、イベント連携に伴い、CEATECでの自動車関連技術の展示が強化されたことだ。
これまで、CEATECというと、家電メーカーは新型テレビをこぞって発表し、端末メーカーは秋冬モデルの携帯電話を競って展示していた。PCもさまざまな新型モデルが展示されていた。今年は、それらに変わって、自動車メーカーや自動車関連技術の展示が増えていると、会場で感じた人も少なくないだろう。日産自動車の自律走行リーフを筆頭に、トヨタ、ホンダの次世代コミューターやHEMS、スマートシティ関連の展示、ITSに関連したセンサーや通信関連技術、EV等の非接触充電技術、テレマティクスや車内ネットワークの統合技術などだ。
かつての家電メーカーや携帯電話メーカーの輝きを忘れられない人には、この様変わりに落胆するかもしれないが、業界や産業構造の変化と考えれば必然かもしれない。燃料噴射が電子制御化されてから、自動車とエレクトロニクスの親和性は高まっていった。現在、機構部分の電子制御が進み、カーナビやテレマティクスシステム、ハイブリッドカーやEVが一般的になりつつあり、もはや両者は一体の技術といってもよい。
また、家電製品やコンシューマエレクトロニクスについては、平均的な要素技術のコモディティ化が進み、先進国では、設計や開発、デザインは行っても、製造・販売するビジネスメリットはなくなっている。企業戦略の本流としては、ビジネスにならない分野に拘泥する意味はない。価格競争力がほとんどである消費財の製造は新興国に譲り、よりニーズのある市場へのシフトを考えたとき、情報端末としての自動車という素材は決して悪くない。M2M、IoT、ビッグデータといった今後の技術トレンドにおいて、自動車の存在は小さくないはずだ。そして、国内だけで7600万台(自動車情報センターより)といわれるほとんどの自動車の情報化は不十分である。PC向けの業務アプリを開発するより、自動車向けの情報サービスやアプリを考えた方がよいのかもしれない。
自動車は、人が乗って移動できるモバイルデバイスである。そんな可能性を垣間見た2013年のCEATEC。業界の動向とともに注目していきたい。
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