大阪市内のスマホ回線速度は？角川アスキー総研が市内50ヵ所で調査
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iPhone 5s／5cがキャリア3社からそろって発売され、端末での差別化が難しくなっているため、サービス面はもちろん、価格、そして回線速度の競争が激しくなっている。角川アスキー総研では各社の回線速度の実情を調査することを企画し、その第一弾として、首都圏に次いで各社が激しい競争を展開している大阪市内50ヵ所での調査を実施したとのこと。調査期間は11月6日～12日の平日。調査地点は、乗降客数の多いJR、私鉄、地下鉄の主要駅、および多くの人が集まるビジネススポットや観光スポットを中心に選定したという。
■全50ヵ所の下り平均はドコモが最速
全50ヵ所の平均下り速度では、NTTドコモのiPhone 5cが33.82Mbps、Android端末（ARROWS NX F-01F）が34.25Mbpsで、どちらも他キャリアより10Mbps以上速いという結果となっている。ドコモは2013年9月以降、特に1.7GHz帯、下り最大150MbpsのLTEの整備を進めており、東京、名古屋、そして大阪での同帯域の基地局の強化が、今回の結果に現れたと、同総研では分析している。東京・名古屋での150Mbpsエリアの本格的な調査はまだ行われていないが、この2都市での展開にも期待したい。
なお、他の2社の平均ダウンロード速度は、どの端末もおおよそ20Mbps前後だが、ソフトバンクモバイルのAndroid端末（AQUOS PHONE Xx 206SH）のみ、17.31Mbpsとやや遅い結果となったとのこと。同端末は調査地点のうち8ヵ所でLTEに接続できず、3G回線での計測となったためだという。現行のソフトバンクのAndroid端末は、同じLTEでもiPhone 5cとは異なる「SoftBank 4G」回線を使用しており、そのエリアが狭いことが要因としている。ソフトバンクモバイルは12月以降に提供するAndroid端末より、iPhone 5cと同様に「SoftBank 4G LTE」に対応する予定で、対応端末の登場によってAndroidの回線速度の向上が見込まれる。
一方、全50ヵ所の平均上り速度では、iPhone 5cはソフトバンクモバイルが9.82Mbpsでトップとなった。こちらについてはauも9.48Mbps、NTTドコモも9.38Mbpsで、下り速度に比べて大きな差とはなっていない。Androidでは、NTTドコモ（ARROWS NX F-01F）が10.72Mbpsと、iPhone・Androidを併せた全体でもトップ。10.10Mbpsと僅差でau（Xperia Z1）が続く。ソフトバンクモバイル（AQUOS PHONE Xx 206SH）は4.28Mbpsと他社を下回るが、これは前述のように3Gでの接続となった箇所があるためだとされている。
■「キタ」とJR駅はドコモ、「ミナミ」や私鉄・地下鉄駅はau・ソフトバンク
50ヵ所の調査地点のうち、NTTドコモのiPhone 5cが下り速度でトップとなったのは9ヵ所、Android端末がトップとなったのは17ヵ所で、調査地点の半数以上でNTTドコモの端末がトップとなった。それに対して、上り速度でトップとなった調査地点の数は、ソフトバンクモバイルのiPhone 5cが16ヵ所と最も多くなっている。上り平均速度の順位とは逆になっているが、これはNTTドコモのAndroid端末が、特に梅田近辺や市内周辺の観光スポット等で、20Mbps前後という速い上り速度を記録しているため。一方でソフトバンクモバイルのiPhone 5cは、10Mbps強の上り速度を複数地点でコンスタントに記録しており、特になんば周辺地域が強い。
NTTドコモは下り速度に関しては、NU茶屋町やHEP FIVE、グランフロント大阪、北新地といった、梅田、あるいは「キタ」と呼ばれる地域近辺の多くの人が集まるスポットで、50Mbpsを超える速度を記録している。今宮戎神社などの周辺観光スポットも同様で、またJRの駅ホームでもおおむねNTTドコモが速い。なんばや心斎橋など、「ミナミ」と呼ばれる地域では、下り、上り速度ともに、いくつかの地点を除いてauやソフトバンクモバイルが速くなっている。また地下鉄・私鉄の駅では、調査した9駅中6駅でauが下り最速、残りの3駅ではソフトバンクモバイルが最速と、調査したすべての地下鉄・私鉄の駅で、au・ソフトバンクの端末が最も速いという結果となった。
《白石 雄太》
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