モデル、リアリティ番組……芸能活動するイマドキ窃盗犯たち
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これまで、『ロスト・イン・トランスレーション』『マリー・アントワネット』など、ガーリーでファッショナブルなテイストの作品を撮り続けてきたコッポラにとっては、一見、実在強盗事件という題材は意外に思えるかもしれない。しかし、コッポラの興味を引いたのはその事件性といよりも、これまでも描いてきたユース・カルチャーや若者のアイデンティティの模索であったことを説明している。
「この作品は今のカルチャーやリアリティ番組という現象、それが若者たちにどんな影響を与えてきたかということを描いているんです。観客が若者たちの視点に立って楽しさを感じ取り、最後には別の観点から“彼らはやり過ぎてしまった”と思ってくれるような物語にしたつもりです」。
本作のリサーチのために、コッポラは窃盗団の二人にも会っている。彼女たちについて、「窃盗、強奪そのものが重要だったのではなく、パリス・ヒルトンの様な、彼らには無縁のライフスタイルを持っている人のふりを2時間だけでもしたかったのでは」と分析。「彼らの頭には、窃盗という犯罪意識がなかったのかもしれません。彼らの中には裕福な家庭出身の人もいましたし、ただ彼らのようなライフスタイルを試してみたかっただけという気持ちが強かったのでは」と話す。
実際、彼らはリアリティ番組に裁判の様子を収録させていたり、不起訴になったテス・テイラーはプレイボーイ誌のモデルに、刑期を終えたアレクシス・ナイアーズはリアリティ番組の主人公を演じるなど、芸能活動を開始している。犯罪を行ったことさえも自身の売名行為に利用する彼らに対して、コッポラは「彼らをこれ以上有名にしたくなかったので、キャラクター名に実名を使いませんでした。私はフィクション版を作りたかった」と語り、彼らの話をストーリーに取り入れながらも、それは一部にしか過ぎない、と説明する。
《RBB TODAY》
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