知られざる北朝鮮映画界 初のドキュメンタリー
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北朝鮮において映画は、国家思想を人民に定着させる重要な啓蒙ツール。特に故キム・ジョンイル将軍は大の映画好きで、ピョンヤンに日本、中国、韓国などの古い街並みを再現した広大なオープンセットを持つ“朝鮮芸術映画撮影所”を建てたほどだ。今でも年間100本に迫る勢いで企画されるという。
そんな閉ざされた北朝鮮映画界に初めて密着した本作は、シンガポールのドキュメンタリー映像作家ジェイムス・ロンとリン・リーが、2008年ピョンヤン国際映画祭に招待されたことを機に訪朝、そこで国家思想の伝道師としての役割を自負する北朝鮮の映画人に出会い、興味をもったことがきっかけで本作が生まれた。
約2年間、4度の長期滞在に渡り取材。超エリートが集うピョンヤン演劇映画大学でスターを夢見る学生や、広大な撮影所で新作の撮影に忙しいベテラン映画監督などを追う。
撮影は、案内員の同行と、映像すべてをチェックさせるという条件付きで実行。ジェイムス・ロン&リン・リー監督は「多くの人は私たちの撮影対象が『演じている】と言うだろう。正しく振る舞うよう言われていることは想像に難くない。しかし辛抱強く様子を伺いながら、彼らのあからさまな、むき出しの姿をとらえた瞬間はあると思っている。何が『真実』か? どれが『本当』か? 観客がこの作品を観て、判断してくれればそれでいい」と話している。
《RBB TODAY》
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