“強い女”が似合う女優 ミシェル・モナハン
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
そんなモナハンが主演するサイコ・スリラーが『ブラインド・フィアー』(2014年1月11日全国公開)。冒頭、映し出されるのは、モナハン演じる報道カメラマン・サラが、戦時下のアフガニスタンで遭遇する不慮の事故だ。そして、現在、サラは恋人ライアンとともにNYのペントハウスで暮らしている。が、ある日、目が見えないハンディを克服しようと外出もひとりでするように努めているサラが、帰宅すると突然見知らぬ男チャド(バリー・スローン)に襲われ、サラはペントハウスに監禁されてしまう。チャドは、ライアンが横取りした大金を奪い返しに来たのだという。ライアンの流した血の海に事の深刻さを察したサラは、パニックに陥るが、そこへさらに残忍なホランダー(マイケル・キートン)も加わり、サラは絶対絶命の危機に陥る…。
都会の死角である、マンションのペントハウスという密室を舞台にした、オードリー・ヘップバーンの『暗くなるまで待って』('67)やジョディ・フォスターとクリスティン・スチュワートの母娘が隠し部屋に閉じこもった『パニック・ルーム』('00)などの密室サスペンスと同様に、この作品の成功もヒロインを演じるミッシェル・モナハンの力量によるところが大きい。
恋人の死とその秘密、なによりもすぐそこにいる冷酷な男たちに怯えながらも、なんとか抵抗を試みようとするサラ。マーシャル・アーツを駆使して敵をなぎ倒すスーパー・ヒロインではない。けれど、目が見えないハンディを“武器”とし、決してあきらめることなく、知恵と経験そして勇気をもって犯人と対峙するモナハンの健気さが心にぐっと刺さる。監督は、ジュリア・ロバーツがDV夫から逃走するサイコ・サスペンスを手掛けた『愛がこわれるとき』のジョセフ・ルーベン。なるほど、追い詰められたときの女の強さを今回もモナハンから見事に引き出している。
《立田敦子》
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