秋元康氏、作品作りの“哲学”語る……鬼才ポン・ジュノ監督と対談
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作品を発表するごとに、斬新な映像、緻密な構成、完璧なストーリーテリング力などが高く評価され、“アジアのスピルバーグ”とも称されるポン・ジュノ監督。そんな同監督の最新作は『スノーピアサー』(2月7日公開)。フランスのコミック「LE TRANSPERCENEIGE」を原作に、アクション、ドラマ、サスペンス、哲学などあらゆる要素が絶妙なバランスで盛り込まれた近未来SFエンターテインメントである今作を一足先に鑑賞した秋元氏は、「非日常の世界にぐんぐん引き込まれていく面白さがありました」とその感想を語った。
本作は、冒頭、いきなり列車の中から始まる。しかしそのシチュエーションや設定についての説明はほとんどない。観る者は戸惑うが、そうした“説明”はストーリーの中に織り込まれており、主人公たちと一緒に列車が進むうちに、列車の謎や主人公の過去などが次第に明らかになっていく。そうしたストーリーテリングの手法は、観る者に新鮮な発見と驚きを与え、秋元氏も「僕はその度に『そういうことなのか!』と驚いて、作品に引き込まれていきました」と感心した。
「僕が常に考えているのも、まず自分が面白いかどうか。他の誰かのために作っても、自分自身が面白くなければ、本当に面白いエンターテインメントはできません」と、作品作りにおける哲学を明かした秋元氏は、監督の力量について、「何よりストーリーを組み立てる腕力にありますよね。『次はどうなるんだろう?』『あ、あれが伏線だったのか!』と思わせて、随所にコミカルな要素を交えつつ、観客を最後まで飽きさせない。その力量は、本人が意識しなくとも、世界に通じるものだと思います」と絶賛した。
本作のようなストーリーテリングの手法は、監督にとってもチャレンジだったという。しかし今回の秋元氏との対談を通じて、「誰にでも『話がしたい』『話を聞きたい』という欲求があって、それは国境や時代を越えるものなのかもしれません。ストーリーテリングを純粋に追求していけば、それがすなわち世界につながるということなのでしょうか。秋元さんとお話して、改めてその事実に気づきました」と、監督自身にも新たな発見があったようだ。
『スノーピアサー』は2月7日公開。
《花》
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