「相続」への関心、50代で一気に高まり……「プレ相続」のニーズは約6割
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■50代を境に変わる「相続」への意識
調査時期は2013年12月で、保有金融資産500万円以上の30代以上男女1,000サンプルから回答を得た。
まず、相続準備に関する意識について質問。「遺言を作成したうえで、資産承継について準備しておくべき」「遺言作成は考えていないが、何かしらの準備をしておくべき」「特に何も考えていない」の選択では、「遺言作成は考えていないが、何かしらの準備をしておくべき」が、40代で37.7%、50代で50.8%となっており、50代を区切りに相続意識の高まりが見られる。
「相続について考えている人が増えてきている感じがする」という設問では、「そう思う」と答えた人の割合は40代で54.5%、50代で61.2%。「終活について自分も知りたい、調べてみたいと思うようになった」という質問に対し、「そう思う」と答えた人の割合は40代で51.1%、50代で56.8%となっている。
次に、「突然の事故や病気などにより、あなたご自身の健康を損なうことへの不安を感じることはありますか」という質問では、「不安を感じる」は50代が最多で66.0%。「最近3年以内に、ご両親やご親戚の資産相続・遺産分割に関わったことがありますか」という質問では、「ある」は60代が最多で27.9%、50代が27.6%とほぼ並んだ。
相続を3年以内に経験した人に「あなたご自身が関わった資産相続・遺産分割の際には、スムーズに手続きが完了しましたか」と質問したところ、家族間や手続き上のトラブルなど、何らかのトラブルを経験したのは、50代が最多で24.6%だった。一方で「相続について、どのような作業や手続きが必要か具体的に知っている」という設問に対し、「そう思う」は、50代でも42.0%で半数に満たなかった。
理由として「相続の手続きは、面倒そう、手間がかかりそうなイメージがある」との質問に対して、「そう思う」と答えた割合は、50代で76.0%となっている。相続に対する関心は強い一方で、面倒そうというイメージから、遺言作成という具体的作業については、知識・作成ともに足りていないというのが現状のようだ。
■遺言代用信託など、ハードルの低い「プレ相続」に可能性
こういった背景を受け、手間も費用もかからず、簡易に相続に対する準備を行える「プレ相続」といったようなサービスに注目が集まる可能性がある。自身の死後遺族に当座一時金が支払われるなど、遺言に似た機能を持つ「遺言代用信託」など信託商品の活用も、1つの解決策となるかもしれない。
「遺言書作成や弁護士経由でなくても家族に資産承継の手続きを完了できるサービスがあったら利用してみたいと思いますか」という質問に、50代で60.0%が「そう思う」と回答している。また、「相続について、無料で相談できる窓口があれば利用してみたいと思う」という質問にも、50代で64.4%が「そう思う」と回答している。
弁護士の長家広明氏は、「相続に関しての関心は近年大変高まっている。相続税改定によって、今まで税金がかかっていなかった方も他人ごとではなくなるので、若い方もこれを機会にぜひ考えてほしい。50代の関心が高いのは、今後定年も控え、自身の資産も落ち着いてくるという点があるだろう。子供も独立し始め、大きな資金の動きもなくなり、腰を据えて将来を考えやすい時期だからではないか」と指摘。「金銭を管理でき、葬儀代などにも有効な『プレ相続』に該当する信託商品と遺言を組み合わせた対策などをお勧めする場合もあり、トラブル確率を0%に近づけていく」という所見を述べている。
《冨岡晶》
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