ハッカーはIT社会の白血球……CODE BLUE 基調講演
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CODE BLUE 事務局であり、発起人でもある篠田佳奈氏は開会の挨拶として、米国、韓国、台湾、香港、ヨーロッパ他各国から集まった講演者と来場者、そして多数のスポンサー企業、また、運営にさまざまな形で力を貸してくれた全ての人に対し、短く簡潔な感謝の言葉を述べた。なお、国際セキュリティカンファレンスが、女性が発起人となって開催されたのは世界でも例がない。
続いて登壇した CODE BLUE 実行委員会 委員長である、東京電機大学 情報セキュリティ研究室 教授 佐々木 良一氏は、自身が情報セキュリティの研究をはじめた当時、国内にほとんど同カテゴリの研究者がいなかったことをふりかえり、会場に集まった来場者に対し、感慨深く目をやった。佐々木氏は、従来の攻撃が風邪だとすると昨今の攻撃は新型インフルエンザであると述べ、国際レベルの人材の育成のためには世界トップレベルの研究者との交流が不可欠であると同時に、現在民間主導となっているセキュリティ研究だが、IWSEC(International Workshop on Security)のような学術分野との交流が今後重要となってくると語った。
基調講演として招かれたジェフ・モス氏は講演の前半で、サイバーセキュリティの主要プレーヤーとして、「民族国家」「犯罪組織」「社会活動家」「ハッカーと研究者」の4つを挙げ、それぞれのプレイヤーの主要な欲求を列挙した。
国家は国民に対してすべてを秘密にしたがっており、犯罪組織は不正に得る金銭のみに関心がある、ハクティビストは注目を集めたがるだけである。唯一、今日この会場に集まった情報セキュリティの研究者やハッカーだけが、ソフトウェアやシステムの脆弱性を発見して、それをわざわざ社会のために報告したりすることで、さまざまな問題を拡散共有し、社会的議論を行う助けとなっており、いわば人間の体内における白血球のような役割を果たしていると述べた。
モス氏の講演では、医療と公衆衛生のアナロジーを用いて、一企業や組織にとどまらない社会全体での安全性向上を目指す「集団免疫理論(Community Immunity)」が解説された。
CODE BLUE は2月17日、18日両日開催され、当日入場も可能。
ハッカーはIT社会の白血球~国際会議 CODE BLUE 基調講演
《高橋 潤哉@ScanNetSecurity》
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