高校生が筑波大のスパコンを使い、「5×5魔方陣」を解明……約2億7500万の全解を出力 | RBB TODAY

高校生が筑波大のスパコンを使い、「5×5魔方陣」を解明……約2億7500万の全解を出力

エンタープライズ ハードウェア
魔方陣の例
魔方陣の例 全 2 枚
拡大写真
 筑波大学(計算科学研究センター)は2月28日、高校1年生の男子が、スーパーコンピュータ「T2K-Tsukuba」を使った並列計算により、「5×5魔方陣」のすべての解を求めることに成功したことを発表した。

 筑波大学では、一般公募による「学際共同利用プログラム」を実施しており、2013年度に高校1年生男子の申請が採択された。今回、筑波大学計算科学研究センターの朴泰祐教授と共同研究を進めた結果、全解を求めることに成功した。

 「魔方陣」は、正方形のマス目に、縦・横・斜めの合計が同じになるよう数字を置いたものだ。5×5の魔方陣の全解は、2億7530万5224通りとなる。魔方陣の求解は、すべての数字を「総当たり」で入れて正解かどうかを確かめていくのが基本だが、5×5の場合、1列の和が65とわかっているため、1列の4マスまで埋まると残り1マスは自動的に求められ、これを総当たりから除く「枝刈り法」が利用できる。

 高校生1年生男子はこの枝刈り法をもとに、総当たりのマス目の数を25から14まで減らせることを発見。「枝刈り法」を改良した求解アルゴリズムを考案するとともに、プログラムを開発した。T2K-Tsukubaの全648ノードのうち32ノードを使った並列計算により、最速で約2時間36分で全解を求めることができたという(出力結果は約25GB)。

 スーパーコンピュータ「T2K-Tsukuba」は、2014年2月末で運用を終了し、2014年度からは、新たなスーパーコンピュータ「COMA」(こま)を導入し、「HA-PACS/TCA」との2台体制で、今後も学際共同利用プログラムを積極的に展開していく計画だ。両者は引き続き、5×5魔方陣における並列計算の高速化を進める。

 なお6×6魔方陣へのチャレンジは、現在のプログラムでは150兆年かかると見積もられており、現時点では不可能とのこと。

《冨岡晶》

特集

【注目記事】
【注目の記事】[PR]

この記事の写真

/

関連ニュース